東篭ノ登山、西篭ノ登山、水ノ塔山登山下見

7月24日のガイド事業の下見に来ている。実際のコースはタイトルの内容に池の平湿原が加わる。池の平湿原は最近下見をしているので、高峰温泉に車を置き、タイトルの三山を歩くことにした。

まずは湯ノ丸高峰林道を歩く。帰り道で山を歩くコースにする。

足下にはヤマオダマキ。咲いたばかりのように見えるが、長く伸びた距(きょ)というところを拡大して見ると、食い破られ蜜を横取りされているのが解る。ネットでぐぐると、ヤマオダマキでは花茎の上部がベタベタ粘液で覆われているので滅多に被害に合わない…などの記事があるが、あれ?ベタベタしていたっけかな?犯人は本当にアリなのかな?マルハナバチがいたずらする例があるという記事もあるみたいだ。


  


そして登山口に到着。篭ノ登山は篭の塔山とか、籠ノ登山とか、いろいろな書き方で明記されている場合がある。

英美子がオオバコの葉でこんにちはを教えてくれた。ああ、子供の頃やったかも。

しばらくの間、森の中の登山道を歩く。池の平から篭ノ登山までのコースの前半は、こういうお気楽な登山コース。山ガールっぽい人達と結構すれ違った。


  
  

そしてまとまった株立ちのきのこが。うーん、管孔の形はマイタケのようだ。ニンギョウタケモドキ科のアオロウジかと思ったが、樹上生なので違う。私としては、ツガマイタケ(ツガマイタケ属)であると見た。同グループで毒性の強いものは見当たらないので、今度食べてみることにするか。

この山の上部は、広くガレ地になっている。篭は「加護」から来た字で、信仰の山だったと考えられているが、実態は誰も知らない。文献でしっかりとした記述が見当たらないらしい。登山コース以外は植物が生えているので、風の影響よりも人の踏圧による影響であろう。


  


池の平湿原がよく見える。あそこもかつての噴火口だったことが良くわかる。三方ヶ峰火山というそうだ。高層湿原とパンフレットにはあるが、外からの見た目では低層、中層、高層の種類を特定することは難しい。同じ湿原の中でも、場所によっても違うだろう。

東篭ノ登山山頂の眺めは大変によろしい。嬬恋平野も良く見えた。浅間山(前掛山)登山者の姿も確認できた。


  


ここから西篭ノ登山を目指す。普通の登山ならば、わざわざここから下に降りてまた上る西篭ノ登山には行かないのだろうが、今回のオーダーが「学生を疲れさせる」というものなのだろう。片道40分の寄り道はきつい。

誰もいない山頂。嬬恋側の景色はほとんど見えない。

しかし、大人数で昼食を取れるスペースはあるので、林間学校などの昼食場所には相応しいと思った。他の人の迷惑にもならなそうなので、山頂でバーベキュープランなどを考えてみたが、妻に良い評価を得られなかった。ちぇっ。


  


昼食を取り、東篭ノ登山に戻ってここからさらに水ノ塔山を目指す。手綱を締め直して再スタート。

水ノ塔山には、赤ゾレと呼ばれる崩落地があり、見た目の特徴の一つとなっている。このくらいの傾斜だと森林は成立してもいいはずなのだが、地盤が脆くていつも崩れてしまっているからなのだろう。


  


水ノ塔山の山頂付近はどういう訳か樹木が多い。2,202mのピーク、決して低くはないのだが。

ヒノキ科独特の葉を見つけた。この木が結構ある。えー?この標高でヒノキ科?

と思ったら、そうか、志賀高原によくあるクロベだ。図鑑には蛇紋岩地にも耐えるとあり、また蛇紋岩地は崩れやすいという情報もある。この辺りは蛇紋岩地なのかな?


  


水ノ塔山山頂。ここはあまり広くない。昔から、ここは篭ノ登山への通過点だったのだろう。

今日の登山でずーっと聞こえていた野鳥の声の主が姿を現した。そうか、ルリビタキ君だったのか。そういえば「ルリビタキだよ、ルリビタキだよ」って鳴いていたもんな。


  


篭ノ登山三山の下見も終わり、高峰高原ビジターセンターへ。橋詰さん、清水さん、杉山さん達同志の頑張っている姿を拝見できた。

私は浅間山麓国際自然学校が発足した頃に、積極的にお付き合いできたので、評議員という立場を授かっている。なのにその後疎遠となり、ビジターセンターができてから3年も経っているのに立ち寄ることができなかった。大変に申し訳なかったと思う。

でも、万座人から嬬恋人となった今は、いろいろと関わらせてもいただけるだろう。これからがとても楽しみだ。