万座カラマツ天然母樹林+ガイド



今日は得意の万座カラマツ天然母樹林のガイド。いい天気に恵まれ、早速ゴー!

昨日は少し雪が降ったらしく、風で木々の樹冠や枝葉についた雪がキラキラ降ってくる。これは本当にきれい。冬はこの美しさがたまらない。

まずはおおいなる母の木の前で、ハイ、チーズ!


  


「この樹は、これ以上有名になると策が設けられて二度と触れなくなってしまうかもしれません。触って挨拶するなら今のうちですよ。触って温めてあげてください。そして500年以上生きた精霊のパワーを頂いてください。」

草薙カラマツを離れて、カラマツ一斉林でまた雪と光のショーが。いい写真が撮れた。


  


今日のお客様は登山サークルのお客様だったので、ペースがとても速い。時間があるので、伝五郎池の方まで周って差し上げることにした。

シラビソの樹は、どうもカラマツよりも地衣類の着生が多く見られるような気がする。ヤニ袋を外側である樹皮にまとい、フィトンチッドを放出しているにもかかわらずだ。つまりは、地衣類は樹木の成長を阻害していないということが伺える。

伝五郎池付近の亜高山帯針葉樹林の雰囲気に、お客様たちはうっとり。連れて来てよかった。池のほとりの株立ち樹木も、連れてくるたびに人が喜ぶスポットだ。複雑多様な立体構造になっている森林の中で、多くの方が同じ場所で「ああ、ここっていい」とか「この樹って、何か気になる」と思うのは、やはり樹木は、人間のように言葉を話すことはできないけれども、生物が感じ取ることができる何らかのメッセージを送ってきていると思う。それが樹木のテレパシーなのか、フィトンチッドなのかは解らないけれども。


  


おや、左の樹の幹が枝に擦られてしまっていますね。これは、左の樹の成長スピードが、右の樹より早いからでしょうか?

ブブー、樹木の幹は上には成長しません。横だけに成長します。上の伸びるのは、樹木の先の部分だけです。ではなぜこうなったのでしょうか?…答えは、私は雪にあると思います。恐らく、枝葉に雪が積もって沈んだり、落ちて持ち上がったりして、幹を擦っているのではないでしょうか。

なーんてお話していたら、袋状のいい形をした樹が。これまた好きな樹だな。


  


このコースで回ると、しなや樹の後ろに出てくる事になる。ここが少し急斜面なので、お客様はおっかなびっくり。

メインのカラマツ天然母樹林周遊コースに戻り、代表的な樹木を紹介してツアーはおしまい。天気も恵まれ、お客様絶賛のツアーとなった。

私にとってもエコツアーのときは、この位ついてこれるお客様のほうが気楽かなー。まあ、万座日進舘勤務のときは、湯治のお客様もぜひぜひでお連れしていたので、フリーのガイドとなった今は、そういうお客様は申し込んでは来ないだろう。

このコースはとてもお勧めです。お見えになる際はぜひ私にガイドさせてくださいませ。