富士通軽井沢荘にて



さて、来週9月18日に実施する【富士通健康保険組合保養所・健康づくり教室】自然観察ウォーキングでのインタープリテーション案をそろそろまとめなくては。今日は富士通軽井沢荘のお庭をチェック。

真っ赤に熟したコブシの種がころがっている。コブシは軽井沢の町木。名の由来は集合果の果実がデコボコしていて、握りこぶし状になっているかららしい。握りこぶしが裂けて赤い実が飛び出す。

苔のじゅうたんがきれいなお庭なのだが、今日はあちこちで苔がひっくり返されていた。私はツグミかな?と思ったが、山崎支配人はイノシシの仕業と考えている。そうか、イノシシは畑を耕したように派手な痕になるとばかり思っていたが、こういうケースもあるかもしれない。

他には、苔の上に土がもっこりと乗っかっているところがあった。うーん、昆虫の仕業だろうか。先ほどの掘り返した痕と関連性はあるのかな?


  


リスの食痕のあるクルミの実がけっこうある。リスは軽井沢の町獣だし、リスの話くらいはしてもいいだろう。

青い実がなっていた木は、初め名前を思い出せなかった。山崎支配人は「ニシコリですよ。」と仰る。は、ニシコリ?聞いたことが無いな…。後で調べるとサワフタギ。ニシコリとは地方名らしい。

モミの木の下に、モミの球果をやっと見つけた。このお庭は、きれいに掃いてしまっているので、種はあまり落ちていないのだ。インタープリテーションに使えそうな素材ではある。


  


ヤマザクラは、中は完全にアリの巣になっている。激しい胴吹きも支配人がかなり剪定しているようだ。2級樹医として、この素材を放って置くわけが無い。

モミの樹脂がたっぷり出ているところを探したのだが、見当たらず。では他の針葉樹では…?

おお、このアカマツはやはり凄い。松こぶ病であるが、病原菌とひどく喧嘩しているため、このような醜い姿を呈していると考える。針葉樹のように自分の主張を、あり方を、生き方を、頑なに変えずに生きようとすると、病原菌に対し向かい合って殺しあうしかない。しかし広葉樹のように「じゃあ、俺はこっちに行くよ」的というか、敵を包含しながら違う生き方を見つけることができれば、このような醜い姿にはならないのだ。

針葉樹のように生きるのか、広葉樹のように生きるのか?…このお庭で、そういうお話はできるだろうな。しかしこのお庭も、初めて見たときはなんて素敵なお庭だろうと思った。しかし数回調査してみて、実際には勢力旺盛な、元気のある林ではないということがわかった。つまりは、これからの次代を担う元気な若木があまりないのだ。ヨッシャ、種を植えよう。花咲か爺さんになってもらおう。