馬場多久男の冬芽観察会



今年も、嬬恋村インタープリター会は群馬県「一郷一学」の補助金を受けることができたので、幾人か著名な先生をお招きして研修会を開催することができている。馬場多久男先生には昨年に引き続き2年連続でお越しいただいた。

冬のインタープリテーションでは、スノーシュー・冬山トレッキング共、冬芽のお話は欠かせない。同じ会場で同じテキストを用い同じ先生で、より深く冬芽の魅力を理解しようとこのイベントを行った。

この日は浅間山から寒風が雪をちらつかせながら吹き降りていた。とても寒かったのだが、先生はずっと素手でやってらっしゃった。「私は手は温かいから大丈夫なんですよ」なんて仰る。後で触らせてもらったが、本当に温かかった。自然を愛する心で手が暖かいのだったら、私はナチュラリスト失格になってしまう。先生は冬は強いのだが夏はバテテしまうそうだ。

高枝伐りばさみ、剪定ばさみでチョキチョキと冬芽の付いた枝を伐っていく。冬芽のお話だけではなく、選定の仕方を教えてもらったり、大変にぎやかな観察会となった。


  


1時間半ほど観察会をした後、中に入ってスライドを使い用語の説明や、冬芽にはどんな種類があるのかなどの解説をしていただいた。寒いところから暖かく暗いところに入ったので、思わずウトウトしてしまう。スライドを送るボタンを何度か間違えて押してしまった!しかし初めての参加者は、葉痕と維管束痕が動物の顔に見える映像など、とても良い刺激になったようだ。それでも「その顔の写真集を出したらきっと売れますよ」というのは言いすぎかも。かなりのマニアしか購入しないと思います。

午後からはいよいよ「冬芽でわかる落葉樹」を使って冬芽検索をしたのだが、初めはずいぶん簡単に索引することができ、なんと楽な本なことか!と思いきや、冬芽や葉痕が小さくなってくるともう大変大変。使い込んでないと太刀打ちできなくなってしまう。しかし、この本は使いこなせば最強の冬芽図鑑。いつかマスターしなくては。

最後に、ご自分が取り組んできた伊那市の経ヶ岳自然植物園の話をし、里山で見られたかつての植物を保護保全していきましょうと呼びかけていらっしゃった。