香草源泉へ
今日は佐藤先生の案で、本物の秘湯へ行くことになった。香草源泉は自遊人2006年9月号に載っている。しかし、生ぬるい気持ちでたどり着ける場所ではない。よほど自信のある人でないと止めておいた方がいい。でないと何度も「死ぬか?」と思うことになる。
雑誌『自由人』(LINK COLLECTION追加)
http://www.karatt.com/jiyujin/index.html
雲一つない晴天となった本日。しかし進んだ林道では、一昨日までの嵐で倒れたハンノキが行く手を阻む。車に積んであった手のこで倒木を切断・撤去し、とりあえず先に進む。
ミズナラの樹の上の方から垂直に下りてきたのはゴジュウカラ。ほんの6〜7mのところを行ったり来たりしてくれた。
30分くらい歩くと、ミズナラ中〜大径木の森に出る。ここでは、足元にミズナラの枝がいっぱい落ちているのが目立つ。そう、これは頭上に熊棚がある証拠なのだ。そこいら中のミズナラ樹上に枝葉が集まっている。あれは鳥の巣ではなく、ツキノワグマが食事をした跡。並作の今年、たっぷりドングリを食べることができただろうか?
樹に登って、周りの枝を自分のほうにバキバキ折って持ってきてドングリを食べる。その様子がよくわかる折り跡がある樹を見つけたので、撮っておいた。
目印の木道があるのが毒水沢。この沢を登っていく。
初めに少し足場の悪い部分があるが、10分ほど登ると後は楽勝。途中何度も徒渉するが、ハイカットのシューズなら大丈夫。溶解凝灰岩←合っているかな?の川底の様子を楽しみながら進む。
あと一週間ほどで、この谷の紅葉もピークになるだろう。所々に真紅に染まったサラサドウダンが見える。
登るにしたがって、やがてだんだん両側の山が迫ってくる。
30分ほど進むと、落差20mの絶壁の滝が行く手を阻む。ヒョー!
ここからがこのコースが上級者コースである所以となる。もう数百メートル先に目的地があるのだが、本当になかなかたどり着けない。ここの絶壁だけは、誰かがロープを吊るしてくれていたのだが…。
絶壁横のロープを登って、さあいざ!と思うと、また絶壁が連続する。一般人ならばここで前途の多難さを思い愕然とし、がっくりとうなだれ、トボトボと引き返すことになる。しかし我々はそうは行かない。時代をリードする環境教育者(ナチュラリスト)なのらかりゃ!
で、どうするかというと右側のこの笹薮の中を進むことになる。笹のほかナナカマド、低木ツツジ類などが案外茂っていて進みにくい。しかしお陰で滝に滑り落ちる気はしなかった。
絶壁の間に、具合の良さそうな湯船が見える。なんだありゃ?あれじゃ鳥しか入りにいけないぞ!
笹薮を抜けて一度川に出ると、開けた雄大な景色が待っている。ここで少しホッとする。
また沢を登ったほうが歩きやすくなる。ここを100mほど進んだところでちょっとした滝があり、恐らくここを登ると自遊人に出ていたメインの湯船があると思われる。
しかしこの滝の下でも結構温泉が湧き出ているので、もうここで充分。死ぬ目に遭いに来たのではない。今回は初めから足湯狙いなのだから。
源泉の温度は測っていないが、熱いところは60度を超していると思われる。それが川とうまく交じり合っているところを探す。いい湯加減の場所がきっとある。
私の入浴シーン。は〜ごくらく極楽〜。佐藤先生が撮ってくれた。
入浴する準備も時間もないが、先生方は次の人のためにと湯船づくりに挑戦していた。
草津の町並みがずいぶん小さく見える。ここは標高1,800m位あるのではないか。
帰り道、例のミズナラ林付近はとてもきれい。
ツキノワグマの木登り跡を下から撮ってみた。腹をすかしてここを登ったのだ。私達も早く下ってお昼にしよう。