プロジェクト・ラーニング・ツリー

笛木京子姉御の企画するPLT(プロジェクト・ラーニング・ツリー)指導者一般講習会を受講するため、群馬県緑化センターに行ってきた。写真は二度上峠付近。新緑と雲が綺麗だった。

PLTとは1973年、西部地域環境教育協議会(WREEC=現在の米国環境教育協議会(CEE))と米国森林研究所(後の米国森林財団)が開発した環境教育教材。学習の対象は、幼稚園児から高校生まで(K-13)で、講習による指導者(エデュケーター等)の養成を通じて普及を図る。森林と人間との相互依存関係を理解し、森林資源の長期的利用のための知識、態度、技能を持った市民の育成が目的。

当日は道に迷い30分の遅刻!やばーい!今日は認定証は諦めていたのだが、なんと参加者を待たせていたらしく、私も証をいただくことができた。笛木さん、参加者には大変申し訳ないことをした。

私は直球勝負タイプであるため、「気づき」的アプローチ、またはとある概念方向にまとめとして落とし込む…といった作業は苦手なのである。プロジェクト・ラーニングものは苦手なのだが、ツリー、要するに木なら私でも…と思ったのだが、やはりうまく行かないようだ。それにしても他の参加者はあっという間にどんでん返し的なオチに持っていくプログラムを組み立てる。たいしたものだ。今回の参加で、刺激としてたまに受けておいた方が良いが、自分の持ち味を生かすために、今のスタイルを崩すこともないと思った。


  


今回の企画では、久しぶりに樹木医の笛木裕二さんのお話を聞くことができた。このプログラムであればご夫婦で一つの企画を作り上げていける。しかしまだ、組んだばかり!?のようでうまく行っていないようだ。

樹木の傷の癒し方の話を聞いているうちに、西口親雄先生の本の話を思い出した。

「…広葉樹は、穿孔虫の進入を受けると、カルスを形成して傷を治癒していく。その部分の組織はひどく肥大するが、木は枯れることはない。一方、虫のほうはどうか。針葉樹であれば虫はほとんど死んでしまうが、広葉樹の場合は虫が死ぬことは少ない。もしかしたら、広葉樹の対虫戦略は虫を殺すことではなく、虫に耐え、虫と共存していくことかもしれない。虫を樹脂で封殺してしまう針葉樹に対しては、虫も毒性の微生物を伴なって木をアタックしてくる。その結果、殺し合いの戦争となる。ところが不思議なことに、虫を殺すというやり方をやめた広葉樹に対しては虫側も木を殺すのをやめ、共存策をとる方向に動いている。広葉樹の方が、進化した生き物なのである。」

というものであった。これで、どういうわけかカルスとは広葉樹だけに見られる特別な治癒組織…と思ってしまっていた。しかし、治癒組織=カルスのことで、特別な言葉ではないようだ。広葉樹が虫が進入してきたときに虫をあまり殺さずにカルスを極端に肥大化させて防ごうとするのに対し、針葉樹は樹脂を分泌して虫を殺そうとするのかの違いはあるにせよ、カルスはできる。できて当然だ。じゃないと傷が塞がんないじゃん。