ネイチュア・フィーリング ― からだの不自由な人たちとの自然観察


ネイチュア・フィーリング―からだの不自由な人たちとの自然観察

  • 編集・監修 日本自然保護協会
  • 出版 平凡社 (1994/10)
  • 単行本347p
  • ¥2,100


嬬恋村インタープリター会では、平成18年6月3日に知的障害者施設のハイキング支援事業を行うこととなった。それを受けて、事前の理解を深めるために購入した一冊。



しかし実際には、この本は「からだの不自由な人たち」がターゲットであって、「知的障害をもつ人たち」について書かれている本ではなかった。「からだの不自由な人たち」との接し方の考え方としては以下に集約されるだろう。



【p.125】

障害のある人が、自分の障害を受けとめ自己理解を図り、社会参加できるようになることはとても大切な課題である。一方、障害のない人が、障害は個性のひとつであるという認識に立ち、障害をあるがままに受けとめ、障害のある人の立場に立って共感的理解ができるようになることは、障害のある人と接するにあたって最も基本的なことである。人への優しさや思いやりは、他者への共感や想像力から生まれる。そして共感的理解の基盤は、知ること、ふれあうことから生まれることに留意したい。



【p.311】

私たちは多様な生物との共存の中で、この青い惑星「地球」の上で幸せに生き続けて行きたいと思っています。同じように、私たちの社会も単一のクローン人間の集団ではなく、多様な個人差を持った人々の集まりであって欲しいと思います。人は多かれ少なかれからだに障害を持っています。これは、単なる個人差に過ぎません。



なかなか強くいい言葉もあった。「どんな障害をもっていても自然観察はできる」「同じ人間なのです。草や虫と心通わすことができるナチュラリストが、なんで同じ人間との接し方がわからないのか」など。