風の谷 紅葉







牧干俣線から県境を越え、県道大前須坂線を左へ10分ほど進むと毛無峠がある。目前には一年中風の吹きやまぬ山・破風岳(1,999m)山頂からの絶壁が行き止まりの様相を濃くする。僕はここを『風の谷』と呼んでいる。最も好きな場所の一つだ。


ここの荒天の日ときたら半端じゃない。風の強い日は車のドアなど吹っ飛ばされてしまいそうだし、霧の濃い日は足元ですら霞んで見える。大木など育つはずも無く矮小低木に覆われ、1,823m程しかないのに高山帯ツンドラを彷彿させる植生となっている。


だからこそ天気の良い日ははずせない。毛無しゆえの見通しを楽しみにしている。風の谷、湯川源流の谷がどこまでも見えている。二千メートル先の紅葉まで見えている。