カラマツ小僧







カラマツの芽吹きを待っていた。およそ松らしくない若草色の柔らかなボンボリ。


しかし主役の座はすぐに奪われた。紅い帽子を被ったカラマツ小僧がいっぱいいたのだ。今年はマツボックリが豊作の年のようだ。


柴平志保子さんが言った。

「ほら、雄花が下で、雌花が上でしょ。カラマツの世界も女性上位なのよ。」


せっかく小僧とあだ名をつけたのに、そうか、女性ならどんなあだ名にしようか。