森からの目







森で、キツツキの開けた穴を観察していた。そんなに短い時間ではなかった。5、6分いやもっとだろうか。


ふとシラカバの樹上を見ると、森から見つめる目と目が合った。若い雄のキジだった。


いつもと同じ、表情のつかめない、大きな目でただ見つめるだけのキジの目。侵入者である僕をじっと見ながらも、まだヤドリギの実をついばんでいる。


少し近づいてシャッターを押す。そしてまた少し近づいてシャッターを押す。今日こそは表情がつかめるかもしれない。


でも、キジはまたいいところでバタバタと行ってしまった。そしてキツネの森に着地した。そっちの方が危険だろうに。