モミジのじゅうたん





ふと森を見ると、林床がきらきらしているところがあった。


近づいてみるとイロハモミジの紅葉が散った跡だった。色とりどりの星状の葉が一面に敷きつめられ、モミジのじゅうたんになっていた。


じゅうたんの上を歩くと星状の葉はサクッサクッと音を立ててくずれてしまう。綺麗な星を少しでも長く見ていたいから、次にここを通る人が同じように感動してほしいから、あまり動かないようにしてモミジを見ていた。


つくづく僕は自然観察には向いてないなあと思い、そうして木の上の紅葉よりやっぱり手の届く木の下の紅葉の方が好きだなあと思った。