高ジョッキと丸岩下見
今年の私のテーマの一つは「碓氷火山列を理解する」ことです。吾妻渓谷の中でも、高ジョッキは景色が良いと評判です。様子を見に行ってきました。
高ジョッキへの登山口は国道406号線・須賀尾峠から入ります。ここには駐車場がないので路駐になります。今回も、格安10本爪アイゼンがもつかどうか試してみます。
子育地蔵の表情が愛らしいこと。
思ったよりも大きな樹木が多く、ゆったりとした林分です。登りの斜度もきつくはありません。
この辺りは降雪量が少ないので、日なたは雪解けが進んでいます。しかし地面は凍っていて固い。アイゼンウオークにピッタリです。
尾根道に大岩が居座っています。右に回り込んでもよさそうですが、アイゼンの爪痕がたくさんついているので、真似して岩を越えて行きました。
ブナ、ミズナラなど、大きい樹木も見られます。
進むにつれ、渓谷側(北側)は顕著な断崖になってきます。
ルート上にある大岩は、縦に割れ目が入っています。碓氷火山列の隆起・褶曲作用により元々は横だった地層が縦になったと考えられ、北側の断崖もその影響でできたのかもしれません。
「高ジョッキ」の名の由来は、ジョッキグラスのように突出した形状をしているからと聞いています。なるほど、その通りですね。夏は葉が邪魔してジョッキが見にくいのでしょうが、冬はずうっと目標物として見えています。
近づくにつれ、次第に足元は岩場になってきます。
ジョッキの真下まで来ました。右にまこうと思いましたが、藪が濃く、無理です。
正面を登ってみます。
うーん、岩が動きますね…
岩と氷。でも、掴むことができる灌木はあります。
ガイドが先に行ってザイルをかけて下ろすような作業が必要かもしれません。
断崖を登ったらすぐに景色が開けるのではなく、平らな上部を少し歩きます。
高ジョッキ山頂からの眺め。これはいい景色です。志賀高原の岩菅、烏帽子方面。
堂巌、河原畑方面。奥に見える白く雪被った山は三国の山々ですね。
林の集落、高間山の向こうにあるのは白砂山でしょう。ダム堰堤ができる場所もよく見えます。
眼下は絶壁のはずですが、灌木が多いので滑落することは無いでしょう。複雑な形の岩が見えます。
この、少し先に「高ジョッキ」の看板があり、
南側を眺めることができます。浅間隠山が美しいこと。
下りはゆっくり丁寧に!
猿のウンチがあります。吾妻渓谷の山は野猿に占領されている状態ですから、もっとあってもいいと思いました。
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「丸岩は景色が良くない」と聞いていたので、登ったことは無かったのですが、須賀尾峠で登山準備ができている以上、せっかくなので丸岩も登ってみることにしました。
丸岩の登山道も、駐車場はありません。
西斜面をしばらくトラバースします。
右側(東側)に大きな岩壁があって、それを回り込んでいくようになっています。
岩を回り込んだあたり、雪の上に何か落ちています。
たくさんの樹木の冬芽を噛んだ痕、そしてウンチの跡です。これはムササビ君の仕業。吾妻渓谷らしいですね。
少し古いですが樹木の案内看板がありました。
ミズメの老木。樹洞には、さっきのムササビが住んでいるのかも。この下は吾妻川方面の断崖です。
登っていくと、印象的なミズナラが一本ありました。
丸岩の門番の樹木なのでしょう。
尾根道に出ます。大木が立ち並ぶいい道です。
動物のウンチがあったり、イヌシデの巨木があったり。
丸岩山頂に着きました。
やはり、噂通り眺望は望めず、しかし、夏よりはこの時期の方がまだ良いでしょう。吾妻渓谷を見下ろすように立っていたミズナラの老木が印象的でした。
帰り道、目の前の大きなとんがり帽子に圧倒されます。これが烏帽子岩。
烏帽子岩の北東側断崖にある凹み、なかなかいい形をしています。もしやあれが、六合世立八滝にある「天狗の足跡」のもう一方では?なんて妄想をしつつ、下山しました。