嬬恋村最後の秘境、万座川を上る
「氷瀑」を見に行く雪上ツアーを、来年はシリーズ化してラインナップする予定です。そのために今年はもう一度、これまでの氷瀑の見直しを図っています。
万座川・猟師道で行く地図にない滝の大氷爆 スノーシュー
http://ecotourism.or.jp/snowshoe/ninki_maboroshitaki01/index.html
登山家の小池さんと一緒です。この記事は後日使う画像素材の保存・アップロードも兼ねているために、必要以上に画像が多いことをお許しください。
久しぶりに来てみると、なんと林道が通行止めになっていました。ガーン。この下には東京電力の施設があるので、除雪はしっかりされているはずなのですが…。予定外のラッセル、30分はかかってしまいました。
イノシシの足跡。ん?右のは、ちょっと違うな…
猿の軍団にむしられた樹木。結構、強烈です。芽も好物のようでみんな食べられてしまっています。
キッカケ橋。万座川の断崖が、板状節理の岩が積み重なっているように見える、美しい場所です。
作業用林道を進みます。この辺りからナイスな巨木が出現し始めます。ここからがこのツアーのスタートです。
さて、まずは万座川を横断します。いきなり急坂を降りて川に接近します。
万座川を渡り、中州を歩く…まさに秘境探検です。
中州を出たら、右へ。ここにも見事な板状節理の岩が。四阿山系の古い溶岩は、このような岩が山麓あちこちで見られます。
対岸にはなかなかいい感じの豆氷瀑がありますね。
少し登って、平らな場所に出ます。
地面の土が崩れて、たこ足になった木の根。ここを越えると、
山の獣にしか通れないような場所になります。もちろん、けもの道です。
谷底は見ないこと! 足元はしっかり見ますがね。
雪崩れているところもありました。
長い間、斜面をトラバースすることになります。辛抱強く。
頭上を、イノシシの家族が逃げるように移動していきました。くわばらくわばら。この傷はイノシシの牙痕か、カモシカの角こすり痕か…
カモシカの食痕、かなり大規模にやられています。あのアプローチの状態では、猟師さんにとってはかなりやる気を削がれてしまいますし、このところは野獣については放射能も検出されるので、この猟場に猟師さんはあまり入っていないのかもしれません。まずいです、木がみんな食べられてしまう…
おや、あんなところにも滝があるなんて。暖かくなってきた、この時期にだけ現れる滝なのかもしれません。
おお、なんて趣のあるブナでしょう。幹の凸凹がすごいです。
ツキノワグマの食痕と爪痕。
目印のこの巨木を越えると滝はもうすぐです。
第一の滝に到着しました。とは言っても滝下まで行くのは結構大変。
いえいえ、前言撤回します。この冬の時期に、ほとんど真下まで行けるのですから、ちょっと位の苦労はしたって平気ですよね?
万座川に注ぐ名瀑「コマタ滝」です。
嬬恋村でも、猟をやる人しか存在を知らない、幻の滝です。
さらに奥に進みます。おお、カモシカ君。ちょっと不機嫌な感じでした。濡れているのは、私たちが慌てさせてしまったからなのでしょうか。申し訳ない、悪かったね。
広がった中州状の川床を上っていくと、東側の断崖に、小さな氷瀑が連続しています。日光が当たらないからいい具合に氷が成長するのですね。
来ました。久しぶりの姿です。万座川に降り注ぐ頃には霧のようになってしまい、それが凍るので氷瀑というよりは人工雪の塊のようになっています。
万座川にそそぐ名瀑「三条ノ滝」です。
この滝が全凍結するのは年間10日間もないと聞きましたが、実際、本当に凍結するのかどうか?完全に西側で空が開いています…微妙ですね。
それよりも私は虹に期待したい。午前中なら太陽が背になります。いつか見に来たいです。
ミニ氷瀑ともお別れ、山神様がおわす森を背にします。今日もたくさんの霊気を浴びさせていただきました。感謝いたします。
小池さんが「お爺さんに見える」と言った、この森の門番の木。あなたは何に見えますか?