上信鉱山溶鉱炉(幻の塔)エコツアーご案内



とある大学の薬学系の助教授M様から、「上信鉱山の加水ハロイサイトを拝見したい」とご連絡を頂き、エコツアーとしてご案内することになりました。なんと、加水ハロイサイトが薬の原料になるというのです。


上信鉱山焼成炉(幻の塔) スノーシュー
http://ecotourism.or.jp/snowshoe/baragi_kouzan01/index.html


上記はスノーシューとしてアップしていますが、あくまでも雪のない時期、グリーン期のご案内です。この辺りの林床に笹で激しく覆われてしまっているために、グリーン期のガイド依頼はない、と思い、ツアー設定していませんでした。今後は、要検討になります。



  


いつもの道を歩いていくと、「万座林道現場」の看板が。万座林道?いったい、どこに抜けるのでしょうね。



  


笹薮をかき分け、まずは半世紀前まで稼動していた上信鉱山の溶鉱炉に到着。



  


加水ハロイサイトはそのままで出荷するよりも、「耐火物原料」に加工して出荷したほうがいいお金になったので、鉱山に溶鉱炉を建て、中に原料+木炭+コークスを入れて燃焼させ、「耐火物原料」を取り出した…そうです。その残骸がころがっています。この中に加水ハロイサイトはまだ残留しているのでしょうか?





50年経ってもビクともしない溶鉱炉脇の立派な石垣。見ごたえはあると思います。



  


まずは川沿いを沢登りします。黒いコケが滑るので要注意。おや、崖上に見慣れない石垣が。



  


途中からは、けものみちを通って行きます。きをつけて!



  


露天掘り採掘地へ到着しました。ここで、露頭状況を観察します。白っぽいものはたくさんありますが、石英が古ぼけたようにみえます。



  


これがメノウだったら飛んで喜ぶのですが、ボロボロに崩れます。これも、やはり石英が変質したものでしょうか。



  


さらに露天掘り採掘地の奥まで進みます。私も初めての場所へ。あの崖の上部に、岩石の路頭があります。行ってみることにしました。



  


まるで加工した石を積んであるかのような露頭。その石垣の目地の様に見える隙間に、石英のような、それとも少し違うようなものが挟まっているのです。



  


そしてそれらは白〜茶色で、古くなると粘土化していく…これが、加水ハロイサイトだと思っていましたが、M様が九州で見てきた鉱石の様子とはずいぶん違っているそうなのです。その九州の鉱山も最近閉山されてしまって、今現在、日本では産出されておらず、100%中国から輸入に頼っているのだそうです。



  


おや、これが気になりますか。石とは少し違うのですね。では、「ロウ石山」という名づけ方も、加水ハロイサイトではない、石英などの風化物を見て付けたのかもしれませんね。




諦めて戻ろうとした時に、ふと思い立って動物の臭いが充満する洞窟にレーザー光線を照射してみたところ、変な反射をしました。



ええーっ地底湖?!



これは「インディ赤木」としては行かないわけにはいきません。でまず私めが行って、死んでまいります。




  


おお〜、ケモノ臭いですね。鹿の足跡は凄いです、コウモリの糞も…



  



ところが洞窟はさほど深くなく、突き当りには「干俣」の文字が!



もーなんですか!ドッキリTVじゃあるまいし…


とにかく、全然安心です。倉庫に使っていた横穴でしょうね。ではM様、いってらっしゃい…





「見つけましたよ、九州で見たものと同じものを。」


なんと、最後の洞窟で加水ハロイサイトを見つけるとは!おみそれいたしました。入って良かった、ヨカッタ〜


M様曰く、「もしかしたら、半世紀前に鉱脈が尽きかけていたことで閉山したんであれば、今の技術で再調査したらさらに奥にある鉱脈を見つけられるかもしれませんね」と。一攫千金を狙う人が出てきたりして…でも、癌やエイズエボラ出血熱なんかに効く位の薬の原料じゃないと、元が取れるとは思えませんけれど。



  


不思議ですね。岩と岩の間に薄い層になって現れた加水ハロイサイト。いい鉱脈にあたったら、この層が何十センチもあるのでしょうか。


そして、目的を達成した「川口浩探検隊」は笹藪の中を戻っていきました…






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