吾妻渓谷コンプリート計画 天狗岩に登る



鍛冶屋沢のあとは、久森峠の上にある天狗岩に挑戦しに行きました。



  



現在、発掘調査がされている石川原遺跡の付近、サラサウツギ(ユキノシタ科ウツギ属)が満開です。園芸品種だそですが、石川原の人たちもほとんどいなくなり、庭木だったサラサウツギはこのまま野生化していくのでしょうか…





新しい川原湯温泉駅付近から望む高間・王城火山群(仮称)の山々。





本当は天上山に登ってみたいのですが、その手前にある、天上山(と立馬岩帯)のミニサイズ番のような「天狗岩」を制覇しなくてはなりません。





まずは「天狗岩」に。なぜって?それは吾妻渓谷コンプリート計画だからです。



    


久森トンネルの脇にある、トグラ沢を登ります。新しいように見える石積みには古めかしい大木が挟まっていていつの時代の石積みなのか混乱します。



  



そのまま進むと、すぐにこうなってしまいました。沢登りも両側の崖も太刀打ちできません。



    


仕方なく、少し戻って、なんとかよじ登れそうな斜面を登ります。しかし、けものみちのようなもの、そして人間が付けたテープのようなものもあります。



    


リョウブの皮が食べられているのは、おそらくカモシカの仕業だと思います、そのままケモノ道を上っていくと、カモシカの寝床と思われるものが垂直方向に並んで4つありました。上に行けば行くほど大きな棚(寝床)になっていたので、家族のうち、親などの年長者が、家族を見守ることができる高い位置で休んでいるんだと思います。



    


45°に近い程の急崖なので、登っては休みを繰り返しながらの登山。やがて、岩の稜線っぽいところがあり、それをたどっていくと大岩にぶち当たります。これが、向かって左側に見える岩のようです。



  



登るところを探しましたが、これはどうやっても無理。命をかけるところではありませんので、回り込むことにします。


    


回り込んでみて、なかなか向こう側にたどり着けません。大きな一枚岩です。これも吾妻渓谷の岩脈です。



  


天狗岩岩帯(仮称)の一部にあった不思議な岩の形…まるで、枕岩状溶岩のようにも見えます。



    


古びたロープがかけてあり、昔から人が登ってきた岩であることがわかります。よじ登りながらなんとか天狗岩の東側へ。イヌブナの大木が出迎えてくれました。



  



天狗岩東側に来ると、これまでの絶壁が嘘のように軽々と岩上に上がれます。まず、新川原湯温泉駅方面。





道の駅八ッ場ふるさと館方面。丸岩、菅峰、すこぶる景色がいいです。





天上山方面。立馬岩帯と天上山は繋がっている…立馬岩帯の最高所が天上山のように見えます。年内にあの山を攻略しようと思っています。そして謎の「空通」という場所。崖下から絶壁を見上げてそう呼ぶのか、立馬岩帯−天上山への尾根道をそう呼ぶのか…



  



眼下に、先程断念したピークが見えます。こちらのピークを仮に大天狗として、あのピークを仮に小天狗としましょう。あの小天狗にも、北側からなら登れそう。ちょっと行ってみましょう。



    


大天狗を南の方に回り込んで、天狗岩の鞍部のようなところから登ります。急傾斜ですが低木を掴みながら難なく登れました。ところが、小天狗の上は案外、低木が邪魔して大天狗ほど見晴らしがよくありませんでした。





その後、後ろを振り向いてあっと驚きます。大天狗西側絶壁の凄まじいこと!


さっき下を覗いたとき、はっきり言って高落差に目がくらみました。嵩山の大天狗・小天狗の時よりも怖さがありましたが、それはこういうことだったのですね… 東西面が切り立ち、南北に広がる屏風のような形状でした。これは岩帯ではなく岩脈(ダイク)と呼ぶべきです。


天狗岩岩脈は一体、いつ頃できたのでしょう。成因としては碓氷火山列の地殻変動により生じた地下岩盤の割れ目にマグマが高角度に貫入して冷え固まったものだと思います。川原湯岩脈(220万年前)と立馬岩帯(230面年前)の間の場所にあるので、似たような時代と考えて良いのでしょう。



      






上りではヒーヒー言った天狗岩ですが、下りはあっという間です。川原畑のうどん屋さんが登山道に詳しいそうなので天上山ルートをご教授に伺いましたが、今日はお出かけでいらっしゃいました。残念、また来ます。

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