鎌原神社の巨木を計測



前から測っておきたいと思っていた、鎌原神社の巨木たち。思い立って今日、計測してきました。





鎌原は昔は蒲原と書いたそうですが、将軍源頼朝が巻狩りに来た(伝説)際に御御所を設けた後、鎌原と名前を改名したそうです。その頃に創建されたとしてもまずまずの歴史があるはずですし、鎌倉時代嬬恋村は鎌原氏が治めていますから、格式も高い神社のはずなのですが、1783年浅間山大噴火の鎌原土石なだれの被害を受けていて旧記古文書は殲滅したそうですので、本来の縁起や由緒はもう、よく解らなくなっています。


風雲戦国史 武家家伝_鎌原氏
http://www2.harimaya.com/sengoku/html/kamahara.html


特に、なにか見どころがある訳ではないのですが、鎌原集落の中にありながらやや高台にあったために、鎌原土石なだれによる土砂堆積が少なかった…とされています。



  


公民館の隣にあるカツラの老木。数年前は樹洞にニホンミツバチが巣を作っていました。樹洞をセメントで埋められてしまっては樹はたまったものではありません。アルカリ害も発生することでしょう。アスファルト化した道路に根を埋められ、傷口にコンクリートを詰められての姿には胸が痛みます。2級樹医として言います。樹木は、ただ頑丈なだけです。殴られても手足を伐られても生きていけますが、呼吸を止められたり、毒を盛られたりしたらさすがに死んでしまいます。だって生き物なんですから。





かつて鎌原神社を守ったカツラの幹周りは397cm。直径126cm足らずでした。





その下には、とても美しい姿のケヤキがあります。鎌原神社は元々鎌原村の中でも小高い丘になっていました。そこに神社が建立されたのですが、鎌原土石なだれが村を襲った際、神社周囲は2〜3mは土砂が被りましたが、鎌原神社上部はほとんど土砂が被らずに済み、周囲と同様に低くなっているはずの神社の北側も30cm程度しか被っていないそうです。


これは、神社と周囲の高低差だけだとは、私は思っていません。





根を見てごらんなさい。健全なケヤキのように露出していません。つまり、押し寄せた土石なだれを根は被っているのでしょう。深植えしたような状態です。かつては、鎌原神社の南側にはこのような大木がたくさんあったことでしょう。神社を土石なだれから守った後、被災の影響で枯れてしまったか、道路や公民館を建てる時に邪魔となり伐られてしまったのでしょうね。無念であります、合掌。





一本ケヤキの幹周りは403cm。斜面の高い方で、地面から130cmのところで、計測しました。厳しい測り方です。



  


その下にあるトウモロコシ畑。収穫が終わったようです。何やら動物のかじった跡が見えますね…



  


最初に見たとき、野生動物に食べられたのかと思いました。トウモロコシをこんなにスパッと切ってしまう顎、歯の持ち主とは一体? …と、身震いしたものですが、実際には収穫したトウモロコシはこのようにバラバラにしてしまうんだそうです。あー驚きました。



  


そして、間もなく閉鎖統合される鎌原幼稚園。この裏手に、嬬恋村最大のケヤキがあります。




見てください、この威風堂々としたケヤキを。それでも、やはり若干深植えされているように見えます。健全なケヤキの根は、もっとロケット状に太く大きく発達するはずなのです。





来ましたー、510cmです ☆ d(o′ω`o)b


凄いです、凄いですが、あれーそんなもんか。これも厳しく測りすぎたかも…もっと太く見えましたが、直径160cmオーバーですから良いとしましょうか。


ところが、嬬恋村教育委員会が2003年に調べた巨木調査票では鎌原神社のケヤキは幹周り420cmが最大とされています。当時は見つけられなかったのでしょうね。広報つまごいや回覧板で巨木調査をしていると回ったはずなのですが…当時は巨木に関心を持っている人が少なかったのでしょうね。


2003年7月嬬恋村巨樹・巨木・名木調査.pdf 直


さて、念願の嬬恋村最大ケヤキの幹周り計測ができました。これを元に、他の市町村の大ケヤキを比較していきたいと思います。乞うご期待!






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