信濃路自然歩道を森林浴セラピーハイキング下見



今週明けには信濃路自然歩道を使った森林浴セラピーハイキングのご予約をいただいています。うちの協会の森林浴セラピーツアーでは、森林セラピーソサエティ認定の森林セラピスト資格保持者、あるいは合格者がガイドさせていただくことになっています。橋詰将太森林セラピストと二人で下見に行ってきました。



  


駐車場降りたところにエルタテハが。



  


山登りのための登山道ではなく、区間移動のための自然歩道ですので、とてもなだらかな道です。森林浴セラピーには最適です。少し歩くと右側に、変わった形の樹木がありました。まるで漁師さんが使う三又銛のようです。いや、三又銛は漁のあと抜けるように銛がカーブを描いています。この角張りっぷりは、



海神ポセイドンの持つ、「トリアイナ」によく似ています。トリアイナは、元々は漁師が魚を獲るために使っていたらしいですが、ローマ時代の剣闘士には、この武器と網を使って魚の兜をつけた相手と戦わされたこともあったようです。





エルボー



なんでこんな形になったのでしょう。そういえばさっきのエルタテハにもこんな形がありましたね。なりたかったから?うん、そうに違いありません。宇宙のデザインは単純な願いや想念によって具現化されているような気がします。



  


真ん中に割れ目の入ったダケカンバや倒木の根を観察したり。



  


頭上の枝からはシャクトリムシがぶら下がっています。ちょうど人の顔の位置あたりにあるのはどうして?動物に別の場所に運んでもらおうとしているのでしょうか?一般的には、葉を採餌中などに危険を感じた時に、とっさに一時避難するのだと考えられています。
けものみちを通って、




立派なモミです。安定感のある、美しい三角錐の形をしています。モミ精油には精神を安定させる力があると言われていますが、樹形からもその効果は納得がいきます。



  


ハルニレの変形樹です。こういう木から、樹液が出てきますが、クワガタムシやカブトムシはいませんでした。もっと樹液が醗酵しないといけないんですかね?



  


オククルマムグラは葉茎に下向きのとげ状の毛があり、草を取って人につけるとペタッとひっつきます。お、萌芽したモミの幹は珍しいですね。まるでイヌブナのようです。





自然歩道沿いで、枯れ木が生立木に倒れかかっていて、シーソー遊びができました。田舎育ちの者は子供の頃から、こういうものでなんとなーく遊んだりして育ってきました。都会の人は、喜んで座ってくれるだろうか、どうだろう?



  


もちろん、ただ歩くだけで癒される自然歩道です。ただし、好奇心がくすぐられてしまったなら、やはり解説者が同行したほうが知的欲求を満足させることができます。「森林セラピストは自然のことに詳しくなくても良い」というのは間違いです。クライエントに『わからないというストレス』を与えてはいけません。



  


クルマバソウの花が、もう実になっています。実にも毛があったんですね。長いカギ形の毛が密生していました。オニヒョウタンボクの実も成っています。



  


途中、階段が水流に大きく浸食されているところがあります。ここは、左に迂回したほうが楽かも。



  


降りたところにあるカラマツ大木。樹木マニアにはいいけど一般向きではありません。コブシの形成層の匂いはいいですね。近縁種であるニオイコブシはエッセンシャルオイルにもなっています。5mlで10,605円、高級品です。


yuicaエッセンシャルオイル ニオイコブシ(においこぶし 匂辛夷) 枝葉
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今日はいろんな場所で座ってみる…ということをやってみます。森林セラピーでは「座観」と言って、散策プログラム中に座るなどの楽な姿勢でゆっくりすることで、森林の揺らぎと一体化してみたり、自然のプラーナを感じてみたり、自分の本来の気持ちや体調に気づいてみたりするのです。どこで実施するのが良いのかテストをしました。


しかし、森林内活動が大好きな私たちでは、どこでも周囲の生き物の存在感から自然の恵みと豊かさを感じ、リラックス状態に入ってしまいます。これでは、あまりテストにはなりません。



  


シラカバの木が木材不朽菌にやられ、朽ちて倒れています。「シラカバは極陽樹で、種は暗い森林の中では発芽することができない。だから、親木は、キノコ菌に寄生されて分解され、倒れてしまっても、キノコ菌を恨んではいないんだよ。だって、キノコ菌のおかげで、普通よりも早く不朽することができ、倒れることで、自分が枝葉で埋めてしまっていた空を開けることができた。森にギャップが生まれた。そのギャップから陽の光は地表に降り注ぎ、自分の種がようやく発芽できるんだ。分解された自分の体のおまけ付きでね。だからシラカバはキノコ菌に感謝しているんだよ。」


…10年前はこんな話ばかりしていました。この話は環境教育であって森林セラピーではありません。しかし、こういう話をすることで癒される人も中にはいるのです。


さらに進みます。



  


今まで、青い尺取虫ばかりがぶら下がっていたのですが、ちょっと違う尺取虫がいました。ヒトスジマダラエダシャクです。幼虫図鑑に載っていました。


幼虫図鑑
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/youtyuu/index.html



  


良い子は真似してはいけません。白糸の滝の上あたりです。滝の音が遠くから聞こえ、コンケイブ地形で谷の向こうが見えています。手前の木々をかすめて遠くに景色が広がっています。「隠れ家−眺望理論」といって、こういうところにいると落ち着くのです。私たち人類が猿からヒトへと進化する中で、こういうところで生活していた時代が長かったからといわれています。確かに、遠くが見渡せて自分は隠れているのですから、リラックスはできますね。この場所は座観に最適です。



  


長い階段を下りると、白糸の滝です。



  


補修した階段の周りでマルハナバチがブンブンと。きっと、巣が壊されたのでしょう。かわいそう。



  


キノコ二種。ハナビラタケとイグチ。ハルニレの巨木前で座観もいいですが…





やっぱ、最高に気持ちよかった場所はここです。マイナスイオン、かなりあるんじゃないかな…。ややディープな森の中に、少しでも人間の作ったものがあると安心するんでしょうね。木道のカーブも自然の揺らぎと調和している感じでグッドです。





とはいえ、ハルニレ巨木の前もそうでしたが、自然歩道を塞いでしまっては行けません。ちなみに今日は誰ともすれ違いませんでしたが…。気を使って選んだこの場所も、湯川沿いでなかなか気持ちがいいです。ここ採用。



  


リョウブの硬い樹皮がシカに食べられていました。まだ新しい食痕です。食べ物の豊富なこの時期に樹皮を選んだのは、何か薬になるのでしょうか?道路を渡ってから、もう一箇所良さげなところあったので座ってみました。





森の感じはいいです。ハルニレ大木を中心とした天然の渓畔林です。後ろに山を背負っていて安心感もあります。



  


ちょうど夕暮れ時。夕日のシャワーが木漏れ日となって降り注きます。こういう風に、光が癒しのお手伝いしてくれることもありますね。





竜返しの滝は爆音が鳴り響く滝で、癒される感じ…というよりは「滝に打たれる感じ」です。邪念を振り払う、過去を祓い清める…などの、修験道的な要素が癒しに役立つこともあるかもしれません。





これは、大砲、あれは、的。 偶然とは思えません。






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