7月の浅間火山学習林間学校(小学校5年生)下見にご案内





休暇村鹿沢高原にご宿泊される小学校5年生の林間学校80名様の下見で、先生お二人と添乗員様をご案内してきました。


今回はしっかりと浅間火山について学べる流れの行程にしてくださっていて、現地のスタッフとしては大変ありがたい限りです。明確なテーマ設定をしていただくと、こちらとしてもそのテーマに対して興味を深めてもらえるような準備体制になってきます。




  


こちらの小学校様は、生徒に事前学習をさせていて、グループごとに発表会までして見えるそうです。基本的には火山について学んでおくといい…と申し上げておきましたが、植物を調べている生徒も多いとか。先生の立場でアドバイスできるように、「花かおる湯の丸・高峰高原」を買われることをお奨めさせていただきました。





この、浅間山の周辺にはカラマツの母樹林がいくつかあります。戦後、焼け野原となった都市部の復興のために山々の大きな樹木は建築材としてどんどん伐り出されました。冷温帯では建築材として優れたスギやヒノキが植樹されましたが、高い山にはカラマツが植えられました。そのカラマツの種を採取した林がこの付近にあります。


しかしこのカラマツからは、種は採らなかったはずです。なぜならこの樹は、生命エネルギーが溢れてしまい、普通の枝さえも幹になろうとしてしまっています。通直な樹からは通直な樹になりやすい種が採れ、枝さえも幹のように太く大きくなる樹の子供は、同様な樹形になることが多いのです。ですから、なるべく真っ直ぐなカラマツから種は採られました。ところが、そんなカラマツは台風で幹が折れたらもう再生できませんが、もう一方のカラマツならば、枝がすぐに幹のように太く大きく成長してくれるので、カラマツは生きていくことができます。つまり、森の中で、バランスの取れていないような乱暴な樹形の樹があったら、それは生命力の象徴であって、抑えることができない生命力の現れなのです。子供たちにも、こういう話を聞かせてやろうと思っています。




  


見晴岳あたり。曇っていて、佐久平八ヶ岳の眺望は拝めませんでした。





記念写真の場所をお探しながら、この、見晴岳西肩は如何でしょう。足元には、三方ヶ峰火山が活発だった頃を思わせる赤く酸化した石ころやマグマのしぶきが再溶結してできた岩があります。浅間火山のマグマだまりは池の平の海面下5〜10kmにあると言われています。池の平は、浅間火山の学習トレッキングとしても優れているのです。




  


三方ヶ峰のコマクサ園、間もなく満開を迎えます。親子のお客様もお見えになりました。







お歳を聞くと、なんと4歳でした!4歳の子でもこんなに元気に登れる山、それが池の平です。







私には弁慶に見える不思議な石を横切って、




  


湿原の中、「鏡池」まで来ました。どうして、「鏡池」っていう名前になったかお解りになりますか…?







答えは、こういうことです。池の向こう側の風景が鏡のように湖映するから。三方ヶ峰火山の旧火口である池の平湿原の中は火口縁と比べて風が弱く、湖面が波立たないので綺麗に映っているのです。




  


この後、嬬恋郷土資料館へ。浅間山塊の断面図がありました。地下の様子や噴火の年代はデータが少し古いですが、三方ヶ峰が載っているのは、池の平散策の後にここに来る予定の学校様にとっては都合が良いでしょう。




  


その後、鎌原観音堂へ。嬬恋郷土資料館2階で上映されているビデオを観れば、子供たちもきっとここに来てみたいと思うはずです。







そして、鬼押出し園。ここで、あの火口からどのようにしてこの鬼押出し溶岩流が流れてきたのか、鎌原土石なだれはなぜ発生したのかを考えてみます。






浅間山まで行った頃は、どしゃ降りの雨模様でした。短い登山道なので、付近の森に入り、カラマツ巨木と出会ってもらおうと思っています。


先生方、添乗員様、梅雨時の下見、お疲れさまでした。当日は私どもに安心して生徒様をお任せください。大変に意義のある、林間学校/教育旅行になるように務めさせていただきます。


浅間山麓・吾妻地域の教育旅行/体験学習ページ(プログラムがPDFファイルでダウンロードできます。)
http://ecotourism.or.jp/kyouikuryokou/index.html






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