サクラソウを求めて軽井沢離山へ
小浅間山をご案内した後は、軽井沢町の町花・サクラソウを探しに行きました。いわゆる「サクラソウ探勝ハイキング」です。ここ数日の陽気で、一気にピークを越えてしまった感のあるサクラソウですが、もしやと思い、離山を訪問しました。
浅間火山の約2万年前の溶岩ドームの一つ、離山。山頂への登山道には東口と南口があり、東口はあまり登山っぽくはありません。南口は森林浴コースです。軽井沢歴史民俗資料館の横から入っていきます。
基本的には育成林では無いので、さまざまな樹木や山野草が見られるわけですが、たまたまシャッターを切ったものを載せていきます。ハナイカダの雌木(雌雄異株)、マタタビの花?
しばらくの間は籔っぽい、開放感の無い森を進んでいきます。山菜として人気の「ユキザサ」があったり、
山菜の王様とまで呼ばれている「モミジガサ」があったりします。森の中で見るカキドオシはこれもまた不思議な気がします。カキドオシだって、一応は食べられます。
わあ、綺麗な花。 これはルリソウ(ムラサキ科ルリソウ属)と言います。軽井沢町では普通に見られるそうですが、一歩軽井沢を出ると急に見られなくなる花です。
ルリソウの中にも瑠璃色では無い花の個体が…ただ花が枯れているだけかもしれません。サクラソウと一緒に撮ってみましたが、もうひとつ。この先、きっといいコラボがあるに違いありません。
ミツバウツギです。これも山菜として利用でき、「コメゴメの木」と嬬恋村の一部では言われていますが、この、花の蕾の頃がお米に似ているから、そう付いたのでしょうか?
まだ解放感の無い藪登山道を進みます。まるで、プラスチック細工のように見えるシダがありました。
森がやや開放的になって来るのは1300m付近から。ようやく、50m先が見えるようになってきました。
このくらい明るければ、一人で歩いても怖くないですね。
登っていくにつれて、見えるサクラソウの株数は多くなってきます。
開けてきたと思ったらまた見通しが悪くなったり。安定しません。
それにしてもユキザサの多いこと。山頂まであと700m地点まで来ました。
クサボケの花を覗きに行ったら、プワーっと甘酸っぱい香りに包まれました。アブラチャンの枝葉が体に当たったようです。
もうちょっとで山頂。元気出していこー。この辺りからは、サクラソウもまだ勢いがあります。
花弁の張りも良くなってきました。上にはもっと活きのいいのがあるかな?
山頂まで450mの看板からは、簡易的な木道が新たに設置されていました。昨年のものは壊れていたのです。
こういう折り返し地点でひと休憩。
薄いつくりなので頼りなく見えますが、新しくて気持ちがいいです。
木道が終わると、山頂付近の高台に出ます。ここをぐるっと回るコースを取ります。
山頂部分はテーブルのようになだらかな形をしていることから、別名『テーブルマウンテン』と呼ばれています。テーブルの上を少しまわってみます。
左上にはかつての溶岩が。モアイ像のように見えるものもあります。
後ろを振り返っても良い森林浴コースです。この、テーブルの上に乗るために離山登るのです。
ふかふかの落ち葉を、ぶわっと蹴りあげてみました。
そして、目をつけていた場所へ。
この場所で、ヨーガをしたい。縮こまった体を大きく伸ばし、大地と天空のプラーナを体を通し、放ちたい。
ここで、左に登るのがベストの道だったようです。直進しても、先ほどより良い広場はありません。趣ある木が一本あるのみ。
左の丘に登ると、ルリソウとミツバツチグリを見つけました。
瑠璃色のかわいらしい花をつけたルリソウ。今日一日で、すっかりファンになってしまいました。
見つけました。ルリソウとサクラソウのコラボレーション。花期のピークは、恐らく一週間と違わないはずです。サクラソウ鑑賞ハイキングだけではなく、サクラソウ&ルリソウ観賞ハイキングが実現できそうです。
ヤマツツジとズミ、紅白のコントラストです。この時期、何度か見るコラボです。
ここで、森の中を動物が横切りました。ツキノワグマよりも小さく、タヌキよりもコロっとしていて、顔に黒い縦線の入った動物…なんとアナグマです。アナグマに誘われるまま、登山道を進みます。
そうだったんだ。ここに連れてきてくれたんですね。今日一番のサクラソウ群落です。
ちょうど今、最高に満開の頃です。やっぱり、今日来てよかった。
道なりに歩いて、山頂に進みます。
あ、林の中にも群落みっけ。
山頂手前の登山道沿いにも、まずまずの群落が数か所ありました。
今日の離山山頂。浅間山は霞んでいます。
軽井沢の街並みです。10日間くらい前は、コブシの花々をすかして街並みが見えたはずです。
長い階段を下って、
ジグザグの木道を渡り、登山道を下ります。
開放感のある山頂を歩いたことと、目的のサクラソウ群落や他の花々を鑑賞できたことで、行きでは見通しが悪く圧迫感があった森も、今は気になりません。むしろ、もっとここに留まりたい思いがあります。
このルートは、とにかく山頂付近まで連れてくることができれば、満足していただけそうですね。