吾妻渓谷に拾い物に…実はフジの名所?



今日はもう一つ。夕暮れ前に、今度の自然クイズで使うものを吾妻渓谷に拾いに行きました。きっと、他のところにもたくさんあるのでしょうが、吾妻渓谷が採取しやすいと思ったからです。




  


嬬恋村から車で国道144号線を長野原町に向かうと、やけにフジの花が目立ちます。今、旬なのです。不動大橋あたりからは顕著です。




  


吾妻渓谷と橋とフジの花。あらま、いいじゃありませんか。







フジの花の甘〜い香りに包まれての吾妻渓谷ハイキング
うーん、この時期はこれかも。







はい、見つけました。今日はこれ、クスサン(楠蚕、鱗翅目ヤママユガ科)という蛾の繭を取りに来たんです。この時期の繭は羽化して飛び立ったか、あるいは蛹が羽化できなくて死んでしまったものになります。葉でカモフラージュしていますが、葉を取り除くと網状の飴細工のような長楕円体〔回転楕円体(長球)〕の繭が現れます。それがいわゆるスカシダワラというもの。これを5.6個欲しいのです。




  


龍ノ剣磨岩のあたりで、下を覗き込むと龍の骸骨のような流木がありました。鹿飛橋から対岸に渡って間もなくの岩にある筒型の穴は、今まで人工的なものだと考えてきましたが、旧六合村世立の「けんずり穴」のことを考えると、これは大昔にできたポットホール(甌穴)であるような気がしてきました。


※旧六合村世立の「けんずり穴」(甌穴)
http://f.hatena.ne.jp/akagi39/20130514152851






葉の裏を覗き見しながら歩いていると、一つだけ白いものを見つけました。これはきっと、蚕の原種であると考えられている、クワゴ(桑子)あるいはクワコ(桑蚕)(鱗翅目カイコガ科)の繭だと思います。でもあれ?中之条町で飼育され製糸もされている野生種蚕の天蚕(ヤママユ)はヤママユガ科で、蚕はカイコガ科です。頭が混乱してきました。


すると、Wikipediaで 面白い記述がありました。

養蚕は少なくとも5000年の歴史を持つ。伝説によれば黄帝の后・西陵氏が、庭で繭を作る昆虫を見つけ、黄帝にねだって飼い始めたと言われる。絹(silk)の語源は、西陵氏(Si Ling-chu)であるという。

カイコの祖先は東アジアに生息するクワコ (Bombyx mandarina) であり、中国大陸で家畜化されたというのが有力な説である。カイコとクワコは別種とされるが、これらの交雑種は生殖能力をもち、飼育環境下で生存・繁殖できることが知られている。一方でクワコはカイコとは習性がかなり異なり、カイコと異なり活発に行動し、また群生する事が無い。これを飼育して絹糸を取る事は不可能に近い。むしろ科レベルにおいてカイコとは異なる昆虫であるヤママユのほうが、絹糸を取るのに利用されるほどである。そのためカイコの祖先は、クワコとは近縁だが別種の未知の昆虫ではないかという説もある。


私も、そんな気がします。




  


渓谷の断崖とフジの花のコラボを探しますが、なかなか見つかりません。滝見橋からもう一度対岸にわたり、遊歩道の中にある大藤の木を探してみます。
ツクバネウツギ(スイカズラ科ツクバネウツギ属)が少しありました。







結構遠いですが、これは渓谷っぽいですね。







ワー、最高のポイントですね。対岸の崖に立派な花房を垂らした藤の木が見えます。一眼レフ持っていたらコンクールに出せるような写真になりましたね。




  


その後、小蓬莱を越えて大曲沢まで来ましたが残念、大きな藤の木はありませんでした。大藤の木って、もしかしたらいわゆるフジではないのかも…?


オトコヨウゾメに似た葉でガマズミの花を小さくおとなしくさせたようなものは、コバノガマズミ(スイカズラ科ガマズミ属)です。


この谷にはあまり見たことがない植物があってとても楽しいです。






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