池の平湿原下見
昨日のこと。7月7日に中学生団体様の池の平湿原ガイドが入っているので、その下見会を実施した。
看板に書いてあることをよく読む。池の平湿原には1200種類の植物があるそうだ。山塊効果で温度が低いので標高のわりには高山性の植物があること、そして湿原、森、ガレ地と多様な植生相があるからだ。
ミヤマオダマキ(キンポウゲ科オダマキ属)はあまり見ない。登山口付近の草むらにあったがピンボケ。
この蕾の膨らみ方は、どうだろう、やはりコバイケイソウか?
アヤメがかなり咲いている。7日はもっと咲きそう。ところでアヤメの花は大きい外花被片と、その上にかぶさるようにしてある内花被片があるが、その二つは蓋をするようにくっついているイメージだったが、それはカキツバタだったようだ。
いくつかのミネカエデに見られる病気が気になる。ベージュ色の班点の裏側は真ん中に小さな凹みがあるのみ。
雲上の丘広場は絶好の休憩ポイント。ここで火山と遷移の話でもしようかな。黒斑山のトーミ断層もよく見えている。
絨毯のように敷き詰められたマイヅルソウの群落がいくつかある。頼りなく見えるがアレロパシー作用は強い。
ミヤマハンショウヅル(キンポウゲ科センニンソウ属)はなかなか無い種。大きな株があって満足。
岩場のコメツガ林にはピグミーの森と名がついている。どういう意味だろう?
見晴岳にも登って景色を確認。しかし道が狭いので160名をここに上げるのはやめておこう。
コマクサはほぼ満開状態。カラマツを見降ろせる場所で球果を観察できるポイントがあった。
三方ヶ峰の三方コマクサ園では、白いコマクサを確認。私はこの場所では、植物の香り成分についてお話ししようと思っている。
この湿原にはハクサンチドリが多い。目の前で観察できるところがあったので近づいてみると、花弁の模様がずいぶん多い。まるでノビネチドリのようだった。
サラサドウダンの花を齧ったのは誰の仕業だろう?ヤマネなのだろうか。
おとぎの森を降りてくる最中に、春に見たハクサンシャクナゲの黄白色〜ピンク色の葉を探したのだが見当たらない。あのあと普通の葉に成長したとしか考えられない。
ハクサンシャクナゲを見ていたら、変わった病気に侵されているものを見つけた。葉がもちのように膨れ上がり、裏側は凹んでいる。
この株には、確かに黄白色の葉があった。なのに、今はもうない。あのままちゃんと葉に成長するとは…
ハリブキの棘を見せてあげよう。
昨日の雨で湿原の池塘(ちとう)である鏡池が増水している。おかげさまで、本当に鏡のように見えた。
この鏡池で私の汗を吸いにやってきたクロヒカゲ(ジャノメチョウ科)は、いつまで経っても去ろうとしない。チョウチョを腕につけたまま500m以上歩いた。そうか、天使の汗だから美味しいのね★
良い天気の下見会で、かなりじっくり観察することができた。あとは当日を迎えるのみ!