的岩スノーシュー下見



千葉の野田様から、国指定天然記念物「的岩」へのスノーシューガイドの依頼があった。…しかし、野田様のグループは、かなり山を歩いておられる方々。去年下見をした記憶から言って、どうも野田様グループとは合わないような気がする。そんな訳でもう一度、的岩に下見に行ってきた。


国指定天然記念物「的岩」(上田市ホームページより)
http://www2.ueda.ne.jp/~moa/matoiwa.html


 


鳥居峠から歩く。もちろんゲートは閉まっている。スノーモービルで走っている跡があり、楽々に歩いて行ける。

松の枝が折れているのは雪のせい。今年は雪は多くはなかったが、たまに枝の上で大きな塊になることがあり、このように折れてしまう。


 


いつもは右のコースで行くのだが、雪の上なら悪路も大丈夫かな?と、左のルートを歩いてみる。どうせ上で合流する道だ。
しかし、たまにズボッと足元が抜けてしまう。やはり雪が少ないせいで、笹が寝ていなく、立ったままになってしまっているようだ。


 


人間がつけた跡がないところに動物の足跡があるのはいい。聖域っていう感じがする。

グニャっと曲がったシラカバ。シラカバでこんなに柔軟なのは珍しい。ダケカンバなら話はわかるが…。撮った写真を後で見てみると、今にも走りだしそうな顔が浮かび上がってきた。何か意志でもありそうな…。皆さんは何に見えますか?


 


何か石造物が見える。祠のようだ。四阿山は古くからの信仰の山だからなあ。

野鳥の羽が落ちていた。あまり見かけない、普通には落ちない部分のように思う。近くに散乱してはいなかったから、羽の持ち主は空で襲われたんだろう。


 


シラカバの老木がたくさんの生き物に利用されている。少なくとも三つの生き物が確認できる。

びっしり並んだキノコ。後で名前調べておかなくちゃ。


 


ミズナラが枝折れし、譲り葉が残っているのは夏の間に折れ、離層が出来なかったことに起因する。まずはツキノワグマの食痕を疑うが、森と共存して生きるもののけたちが、こんな乱暴に扱うだろうか?それともこう見えてもミズナラにとっては破壊ではない?もう一つの可能性は、夏の大風か。


 


カラマツの生立木にヤマブシタケが。発生箇所(根元)を見てもわかるようにヤマブシタケは心材ではなく辺材、特に形成層を分解して栄養を得、成長しているように見える。


 


歩き始めて二時間、ようやく的岩が見えてきた。

いつ見ても的岩は立派。流石は国の天然記念物。ただし、ここに来るまでの道のりがかなり単調な植林地なので、お客様が飽きてしまわないだろうかと心配してしまう。


 


今日、ここに来るまでに思いついたのは「朝焼けの的岩ひとりじめキャンプ」。でもトイレや水まわりの関係で難しいか…。あ、夜明け前にMTBで出発すれば、日の出前にここに来られるかも。雪が解けたら早速チャレンジだな。

この岩が、謎の大男が投げた握り飯で、的岩にも穴が開いたという伝説が残っている。


 


ところがどっこい、的岩の中心に近いところに、丸い凹みがあり、こちらが握り飯を当てた跡だという説もある。的岩の名の由来らしさはある。


 


カモシカの足跡と糞は新しいもののように見える。でもこんなに雪が解けているのを見ると、今朝のものではないのかな。

少し離れて的岩を振り返る。このまわりの生立木を伐って、なんとかもう少し見晴らし良くして貰えないものだろうか。地域振興のために、なんとか!


 


帰り道は、少しそのまま真下に降りてみた。Xの形になったミズナラと、きっと的岩から崩れてきたであろう岩を見つけた。でも、ここから帰るルートはまだ未知なので、今日はおとなしく正規ルートに戻ることにした。穴にハマると良くないから。雪の多い時にまた来よう。