北本市立東小学校 バラギ高原案内(野地平、石樋、源流の森+星空観察)



東海大学研修センター様のご紹介で、埼玉県北本市立東小学校5年生の皆様をご案内することになった。小学校5年生といえば、私たちが進めている『子ども農山漁村交流プロジェクト』の対象学年である。

総務省文部科学省農林水産省による連携事業 子ども農山漁村交流プロジェクトの推進について
〜120万人・自然の中での体験活動の推進〜
http://interpreter.jp/gakkoushien/gakkoushien.html

朝から夜の星空観察まで、とても長い拘束時間のインタープリテーションだったが、この学年に慣れておく必要がある。喜んでお引き受けした。

3クラスで合計100名の学年だったが、石樋での自然観察や水遊びがスペース的にいっぺんにできないために、時間差を設けて実施。私のクラスともう1クラスは先に野地平での自然観察を行なった。スタートが同時になりそうだったので、私の方は登山口の駐車場で嬬恋盆地と周囲の火山の形成史のお話をした。

先に進んだ生徒が、『木村先生!生きている赤い砂があるよ!あれってなあに!?』と騒いだ。連れて行かれた先で、生徒が指をさしたのは側溝の中。おや、確かに赤い砂がある。近寄って見てみると、本当に動いているのだ。ゲゲッ、ハムナプトラか!!

しかし、この砂はとても小さな羽虫が大量発生している姿だった。通常、森林には安全保証システムが存在している。特定の昆虫が大量発生すると、やがてそれを捕食する虫が多く現れ、そしてその上位の捕食者もまた増える。その途中相にあたってしまったというわけだ。それでも、うへえ気味悪いなあ。


  


野地平ではレンゲツツジが満開だったので、観察にしばらく時間を取った。蜜を舐めたこともないなんて!子供のくせに〜

その後、石樋に連れて行って、まずは水遊び。生徒たちが運動靴に履き替えている間に、私は滝に行って水生生物観察の準備をする。オッケー、では連れてくるかな? …と思い、迎えに行ったら!!

っつーかお前ら、なにやってんの?パンツまで水浸しじゃん。え!首まで浸かってんの?

んー、自然体験としては大変によろしいのだが、まだこの先にプログラムがあるんだぜ?その調子でついて来られるんだろうな〜?


  


そして石樋の滝で水生生物観察。おお、よくやった。ハコネサンショウウオを捕まえたか。日本に生息するサンショウウオでは唯一肺を持たず、呼吸は皮膚呼吸でのみ行うらしい。また、前足は4本、後足は5本の指を持つ。

足の指の数が見えるかな…?

さて、ちゃっちゃと着替えて水源の森に行きたいのだが、子供たちは女子の前で服を脱いでテンションが上がってしまい、全然言うことを聞かない状態になってしまった。おいコラ、そこでションベンをするんじゃない。おいおい!未熟なものを出してんじゃないよ!!

こいつめ、お前のその姿はインターネットで全世界に配信してやろう。泣いて許しを乞うても絶対消さん。


  


源流の森にたどりついた。ダケカンバの巨木の前に座らせ、森の更新の話をする。大丈夫、手ごたえはあった。これまでのはたらきをねぎらう様に樹にやさしく触れている。

そして湧水をそのまま飲んでもらう。透明な味にみんなびっくり。感動してくれたようだ。

最後は星空観察会。梅雨の時期でしかもほとんど満月の今夜。よくぞ雲ひとつない夜空になったもんだ。30分の観察時間だったが、生徒はあきることなく、いつまでも夜空に輝く宝石たちに見とれていた

『いいかい、みんな。地上の風景はあっという間に変わっていく。北本市の風景だって、水野先生が子供の頃は自然だらけだったのに、ずいぶん都市化してしまった。みんなが大人になった時も、同じように、いやそれ以上のスピードで変わっていくことだろう。でも、夜空の星たちは、5000年前にメソポタミアの人達が名前を付けた時とほとんど同じ場所で、同じように輝き続けているんだ。こんなに長い間変わらないものは、星座以外にはないだろう。だから、この人類のかけがえのない宝物である星座を、みんなが大人になった時、私のようにこうやって子供たちに伝えてほしい。いいね?』

『はあーーーい!』

その声を聞きたかった。本当にありがとう。そして頼んだよ!