森林セラピスト資格認定講習 初日



森林セラピストは我が国初の試みです。森林セラピーの本質と目的を理解し、セラピーメニューを作成できる、専門家の人材養成が必要不可欠です。…と書いてある。

さらに詳しくは森林セラピーソサエティのホームページをご覧下さい。
http://www.fo-society.jp/therapist/

まず第一講は、「フィールド研修・森林との接し方」 石井誠治先生。東京森林インストラクター会会長、日本樹木医会技術委員である。野外に出る前に少し座学を行った。


  


石井講師は森林インストラクターのお手本らしい講習を行う。まず最初にノダフジの実を回し、もこもこした感触を味わせる。クサギやコウゾの葉を触らせたり、シイの実をかじらせたり…

まず森林体験は触らせたり、香りを嗅がせたりと、五感の体験をさせることのほうが大事だということを伝えていた。


  


石井さんの話は本当に楽しく、深い。私もこんなに上手にお話しすることができたらなあ…やっぱり、元々研究職の方だから、バックボーンが違うよなあ。私も二束の草鞋をいつまでも履いているから、説得力に欠けてしまうように思う。

手入れの行き届いていない40年生程の杉林で、枯れているもの、隆盛なもの、人の人生もまたかくの如し。非難の対象にされてしまいそうな人工林でも、セラピーのお話に変えるのだ。

弱盛の桜の木。これを見て参加者に問いかけてみては?という。落ち込んでいる人は自分のことしか見ていない。それを、自分以外のことに目を向けさせる。答えは、出さなくて良いのだ。

根っこが露出してしまったナラの木。こういうものは見せるチャンスである。寒いところにある幹は樹皮が厚くなりコルク層があ発達するが、根の環境はその地域の年平均気温と同じぐらいで温かいので、コルク質層は発達しないそうだ。


  


104名の参加者を一人でインタープリテーションする石井講師。さすがは森林インストラクターの鏡。

【『森林セラピーガイド』は】
「森林を訪れる利用者に対して、森林浴効果が上がるような散策や運動を現地で案内する者」です。森林に関する環境科学的な知識に加え、森の癒し効果についての生理学的な知見を有する者で、利用者に対し、安心・安全な森林散策を確保し、森林環境内での歩行や運動・レクリエーション活動などを通して、正しい森林セラピーの方法を助言することが求められます。

【『森林セラピスト』は】
森林セラピーガイドとしての知見を有していることに加え、「森林を訪れる利用者に対して、心とからだの健康を維持・増進させるための適切なプログラムを提供し、効果的なセラピー活動を指導する者」です。森林健康科学系、健康・心理学系についての専門的な知識と高いコミュニケーション能力を有する者で、利用者に対し、保養プログラムを提供し、森林セラピーの実践を指導することが求められます。

部屋の戻ってからも、いろんなアイテムを用意しておくことを知らされた。キジョラン(ガガイモ科キジョラン属)はガガイモの仲間なので種に絹毛を持っている。種を取り除いてふうっと吹けばふんわりこ。空中にいつまでもただよって、まるで雲みたい。これ、癒されるかもしれない。


  


第二講のタイトルは森林アロマテラピー。梅原亜也子講師は日本アロマ環境協会アロマテラピーインストラクター。日本アロマ環境協会らしい講義を行う。香りが大脳辺縁系に伝わるのは0.2秒、他の感覚器は0.9秒。そして香りは大脳皮質の先に大脳辺縁系に伝わるのだ。

エッセンシャルオイルを10滴ずつカップに垂らし、水を入れて攪拌し、順々に配る。これを5種行い、これで教室の中が香りで満たされ、より森林に近くなる…そうだ。

杉の葉と木部のエッセンシャルオイルを回し、その違いを感じさせたりしていた。私のアロマ講義のやり方とあまり変わらないかな。でもこのところアロマやっていなかったので全く当たらなかったけどね…


  


第三講はコミニュケーション手法。

講師:春日未歩子さん(ジャパンEAPシステムズ、EAPコンサルタント/カウンセラー、精神保健福祉士
講師:鈴木詩子さん(医療法人社団翠会 こころのクリニックなりますソーシャルワーカー精神保健福祉士

鈴木講師から個人情報保護法に関する話があった後、早速参加者に導入面接(インテーク)をする講義にはいる。森林セラピーでは、

インテーク(情報収集) → プログラム作成 → プログラム実施(効果測定) → 修了面接(効果測定)

という流れで行ってほしいとのこと。

大きな体育館に移動し、各県ごとに集ってみると、北海道は案外1人、群馬県は2人、長野県は20人ぐらいいた。さすが長野県だなあ。


  


3名一組になって、各組でセラピスト役、クライアント役、そのやり取りを評価する役になり、インテーク練習開始。インテークっていう聞き慣れない言葉を用いることもなんだかムズカユイ。

体育館のステージは、はじめから声が響くように設計されている。ここでエコーの強いマイクをお使いになったので、見本のやり取りが良く聞こえなかった。表情や雰囲気だけ見て真似して実施した。