植物の生存戦略―「じっとしているという知恵」に学ぶ(朝日選書 821)

「植物の軸と情報」特定領域研究班(著)
価格：￥1,260
単行本:234ページ
出版社:朝日新聞社(2007/5/10)
発売日：2007/5/10
商品の寸法:18.6x12.8x1.6cm

植物とは何者なのか？どんなふうにして彼らの体はつくられているのか？そういったことを中心テーマとして、10個の話題を選び、構成されている。本書の編者、「『植物の軸と情報』特定領域研究班』」とは、植物の体の軸を決める仕組みや植物の体の中を流れている情報を明らかにすることで、植物の体づくりに関して謎を解明していこうとする共同研究体である。世界的にも競争が厳しい分野で、めざましい活躍と大発見を相次いでいる日本人研究者たちである。

そういう方々が、国の補助金を使って得た研究成果を、専門家の科学者に対してだけでなく、一般の方々にできるだけわかりやすく書いた本が本書である。…はずなのだが、そもそも取り扱っている内容がかなり専門的分野なので、「植物が好き！」なだけの方は、ついていくのは相当無理がある。私も、読んでいて遺伝子の話で混乱してきた章があり、思わずパラパラと読み飛ばしてしまった。理解しながら読むにはじっくり時間をかけなくてはならない。

しかし、導管や師管のでき方、オーキシンやサイトカイニンの作用のことなどを、最先端の研究者の書き下ろしで得ることができた。ためになる本であることには違いない。