体験を通して学ぶ教科学習のすすめ


発行日:平成20年6月
発行施設:国立青少年教育振興機構

機構WEBページよりダウンロード可能
http://www.niye.go.jp/houkoku_srch/chosa_cts.php?insid=76


当会恒例の【インタープリター・リーダー養成講座】は、今年は文科省農水省総務省の三省連携による「子ども農山漁村交流プロジェクト」の指導者養成事業である【小学校長期自然体験指導者養成研修】としても認定されている。その指導者ハンドブックの一部として、青少年機構がまとめたものが本書である。

※指導者ハンドブックは以下からダウンロード可能
http://www.niye.go.jp/shizen/pdf/top/koshiyou.pdf


自然豊かな農山漁村で過ごすことにより自然や生命を大切にする心を育み、集団生活をすることで他を思いやる優しさ、社会性、規範意識を学び、そして、体験活動をすることにより現実の世界に挑戦し自立し、「生きる力」を身に付けた青少年へと導く。


「生きる力」=「困難にめげず、世の中を生き抜く力」を身に付けるために、人生航海の先輩の人生経験と、自然体験活動の知恵と技術が求められている。


…ということが、「子ども農山漁村交流プロジェクト」の目的と意義なのだが、本書は如何にして自然体験を学校教科に置き換えるのか?というところに着眼を置いている。学習指導要領を満たすためには、年に一度の長期自然体験・宿泊研修においても、全ての活動を教科に置き換えなくてはならないほど、学校の授業だけでは時間が足りない…らしい。


しかし、実際には自然体験では教科に置き換えられないことで得るものの方が圧倒的に多い。学校教育に関わる方は参考までに一読すべきだが、あまりこの本のスタイルに固執してしまわない方がいい。自然教育においては“落としどころ”は、予定と違ったって全然いいし、得るものが違ったって、プロセスが違ったっていいのだから。