木の葉のテレパシー ― 実用


  【木の葉のテレパシー―実用



  三上晃(著)
  価格:¥980(税別)
  文庫:165ページ
  出版社: たま出版 (1982/01)
  発売日:1982/01



故・山野忠彦師匠の【木の声がきこえる―樹医の診療日記】などを読むと出てくる、植物の超能力を研究しているという気になる人物。増刷はしていないので古本しかないのだが、¥2,500くらいしてしまった。一体どんなことが書いているのやら。



読み始めてまたこれがビックリ。植物を媒体にした特殊発信機と受信機、そして水晶の振り子を使えば、写真から埋蔵金、宝石、石油、指紋、声紋、鑑定、ガンの位置、そして特効の薬草、しまいには天体望遠鏡を使えば宇宙の生命の存在までわかると書いてある!おいおい、マジか?元々、埋蔵金を含めた莫大な遺産を相続することになってしまい、その鑑定のために、植物の交信能力を使った装置の研究に没頭することになったのだという。なんつー変わった経歴の人か。



著者の三上氏は植物のことを非常に高次な存在であると畏怖尊敬しており、それは私も同感で好感は持てるのだが、気になることがいくつかある。一つは植物の交信能力は葉緑体半導体として使っていることにある…としているが、では落葉樹の冬の間はどうするのか?また、香り物質を主にしたフィトンチッドのことは知らなかったのだろうか?そしてかなりのヘビースモーカーのようだが、煙草は有害ではないと開き直っているところも考えものだ。



また、最後の宇宙の話では、人は死んでから他の星に行って生まれ変わると書いてあるが、うーん、これは困った。私は植物からそういうメッセージは感じたことは無いのだが…。霊についてもその仕組みを説いているが、これについても私はノーコメントにさせてもらおう。



しかし、これが本当なら驚くべき装置を26年以上前に開発したことになる。当時の日本の社会で、三上氏はどういう風に受け入れらていたのだろうか。