とっておきの場所 下見



来週見える友人達を案内するための、とっておきの沢に入る。この、いかにも人を拒絶しているような所へ降りて行くような雰囲気も気に入っている。

ゴジュウカラはとても人なつっこい野鳥だ。人がいてもお構いなしに出てくる。

今年は雪は少ないが結構気温は低いはずなのに、沢の水量は案外多い。ここを渡る時は気をつけないと。




  


この沢の木にかかっている木本ツル植物は、大きなものが多かった。実をよく見てみると、装飾花の蕚片が4枚ついている。これはツルアジサイアジサイアジサイ属)だ。近似種のイワガラミは萼片が1枚。

こういう風に樹皮がはがれる感じも、ツルアジサイの特徴。




  


ヒガラが何かついばんでいる。近くによって見ると…

へえ、ハンノキの実を…。中の種をつついていたのか。

シラカバの老木は、キツツキにやられて穴だらけになっていた。この森には大量の枯死木がある。しばらくは、キクイムシやカミキリムシ等、穿孔虫の天国。その上位の捕食者であるキツツキも食べ物には困らないだろう。




  


いよいよ核心部に迫る。その入口のように見える、この傾いた数本のミズナラ。直径1m位あるまずまずの大木。

一本目の巨木がいい。何かと思えばハリギリ。ハリギリがこんな巨木(幹周り4m)になるとは誰も思ってもいないだろう。

近くにある直径4mオーバーのダケカンバには、カバノアナカケの進入が始まっていた。あと10年、もってくれるかどうか…。




  


しかしそれにしても今年は熊棚が多い。さらにどうも、熊が近くにいる気配はこの3年間で最大だ。熊撃退スプレーは必ず持ってきてもらおう。

最も好きな巨木の一本、このミズナラには名前を付けたい。まるで化け物タコが逆さまになっているような…どんな名前が良いかな。

そして狛犬のような、番犬のような、髑髏(どくろ)のようなクロサルノコシカケまで上り、核心部を抜けることになる。この髑髏はこの森の守り神だ。だってそうじゃないとこんな立派な形にはならないでしょ。必ず、お礼とお願いをするようにしている。