本白根沢



今日はスタッフの永里さんと歩く。美人なのでスノーシューのモデル写真を撮らせてもらいたかったこと、雪を見たことがほぼ無い、鹿児島出身の彼女にフィトンチッド溢れる亜高山帯針葉樹林の香りはどう感じるのか感想を聞かせてもらいたかったのだ。

うーん、やはり美人はどんなポーズでもさまになる。惚れてしまいそうだ。

森を歩いての彼女の反応は、非常に香りに敏感だった。そよ風が吹く程度で、私には解らなかったすぐ隣の針葉樹の香りが漂ってきたというのだ。その中でもオオシラビソとトウヒの香りが気に入ったようで、森に落ちていた葉のまだついているトウヒの落枝を大切そうに持って帰った。


  


本白根沢の1,840m付近にあった樹はカツラと思っていたがヒロハカツラだったようだ。弦ヶ池付近のものも確かめてみたが同様にヒロハカツラだった。とすると黒湯沢の大木はどっちなのだろう。いつか調べてみなくては。

しかし気になったのはツキノワグマによるナナカマドの食痕の多さだ。この、ミズナラやブナ等堅果類の全くない、そしてサルナシやヤマブドウも全くないこの沢で、秋のナナカマドだけを糧に縄張りとするツキノワグマがいるとは考えにくい。この沢は縄張りの一部なのだろうがそうすると道路をたびたび横切ることになる。そんなに横切るのならもっと目撃例があって良いと思う。ここの主の縄張りを地図に落としてみたい気がする。発信機を付けたくなる気持ちはよく解る。


  


ネコシデが、ノウサギに齧られている。こんなにサロメチール臭の強い植物をよく食べるなあ。

これはナナカマドの老木。もう体中、瘤だらけだ。直径1mほどある。よくまだ生きていると思う。

立生木のシラビソ、地上10mほどの所にヤマブシタケが見える。シラビソもずいぶん抵抗しているらしく樹脂がたっぷり流れ出ている。ヤマブシタケはもう駄目になったように見えるがシラビソも樹冠が傾いている。この勝負はどちらに分があったのか?