巨木







来客を、森に案内していた。どうしても会わせたいミズナラがある。

1時間以上進んだが、どうしても見つけられない。あのミズナラの巨木へは、迷って辿りついたのだ。


では仕方がない。いつものように、森をさ迷(彷徨)ってみよう。だいたいの目的地だけ決めて歩く森。それに付き合ってもらおう。野生に帰してもらおう。

森をさ迷い始めてわずか5分。探していたミズナラよりももっと大きなミズナラが私たちを迎えてくれた。


森はいつだって発見と神秘に満ちている。森の中では背伸びせず、臆することなく、ただ森に身を委ねていればそれでよい。特別なことはなんにもいらない。