バカの壁


バカの壁

  • 著者 養老孟司
  • 発行 新潮社(2003/04/10)
  • ¥714


いわずと知れたベストセラー(400万部)。贈って下さった佐藤先生が見える前に読み終えたかったが、その後になってしまった。



【「話せばわかる」なんて大ウソ! イタズラ小僧と父親、イスラム原理主義者と米国、若者と老人。互いに話が通じないのは、そこに「バカの壁」が立ちはだかっているからである。いつの間にか私たちを囲む様々な「壁」。それを知ることで世界の見方が分かってくる。】との注釈がある。



誰もが何となく曖昧に理解している思考停止・身体反応の現象、個性の発揮、万物流転、情報不変などの事柄を養老先生が面白おかしく解説。その話しっぷりが実にウイットとユーモアに富んでいる。そういった対談や講演を新潮社の編集部員が文章化したのがこの本なのだ。同じような筆者の講演を聞いた事がある。面白い比喩を使ってくるので僕も何度も「ぷっ!」と声をだして笑ってしまった。



この本を読んで「救われた」とまで言う人はまあ、いないだろうが、安心した人は多いと思う。元々日本人は八百万の神の存在を感じ、また「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。」と万物流転、輪廻転生を肌で感じてきた民族である。日本人としてこれからも自信を持って生きましょう。