野地平・石樋下見
週末の2コース、地形と植生を一気に2箇所下見する。メンバーは隆吾さん、内田さん、住田さん、安斉さん、前川さん、茂次さんと僕の7人。
パルコール嬬恋の園田さんのご好意でゴンドラに乗せてもらい、まずは得意の亜高山帯針葉樹林帯を行く。しかしいきなり訳のわからないものが!・・・地衣類はまともに付き合う気はない。以下のURLをご参考に。
http://research.kahaku.go.jp/department/botany/collection/chiirui.html
足元にはタケシマラン(ユリ科タケシマラン属)の赤い実が目立つ。透明感があって良い。
地面を這うようにして探していた隆吾さんが「あった!」と言うので見るとコイチヨウラン(ラン科コイチヨウラン属)だった。最初は当分花が無いので、こういうものを紹介しながら下りていこうと思う。
ハリガネカズラ(ツツジ科ハリガネカズラ属)の実もできていた。この実も透明感のある白色で、ガラス細工のようだ。
しばらく行くと、地面から出るドングリ発見!なんのキノコかな?
もうしばらく行くと立派なカバイロツルタケ(テングタケ科テングタケ属)が。全体にもろく歯ごたえが無いが汁物に入れると良いだしが出ると言う。テングタケ科のもので食べられるものは結構ある。
シラビソから3m程離れた笹原にはウスタケ(ラッパタケ科ラッパタケ属)が。僕の古い図鑑では食とあるが、最近のものでは有毒としているものもある。要注意。隆吾さんは調べるために少し持って帰った。
そしてやっと開けた野地平へ。ヒトツバヨモギ(キク科ヨモギ属)の上品な香りがプ〜ンと漂う。ノリウツギ(ユキノシタ科アジサイ属)をバックにノアザミ(キク科アザミ属)が咲き乱れていた。
解説する気もないのだが目立ってしまうのでチェックしておくアブラガヤ(カヤツリグサ科ホタルイ属)。
湿原内の足跡は何だろう。キジ?それとも・・・?
コバギボウシ(ユリ科ギボウシ属)とコオニユリ(ユリ科ユリ属)がたくさん咲いていた。週末までもってほしい。
最近注意して見ているのはイチヤクソウ。いい加減なガイドブックが多いからだ。
これはマルバノイチヤクソウ(イチヤクソウ科イチヤクソウ属)。花茎がやや赤く萼片の先がとがり、花茎には2〜3個の鱗片葉がある。
この辺のガイドブックには、コバノイチヤクソウ・ジンヨウイチヤクソウ・ベニバナイチヤクソウは載っているがどうしてマルバノイチヤクソウは載っていないんだろう。最近こればっかり見るのに。
トキソウ(ラン科トキソウ属)ももう終わりのようだ。野地平の湿原としての遷移もずいぶん進み、こういった湿原性の花は年々減っているのだと言う。
ミヤマホツツジ(ツツジ科ホツツジ属)は、低木だが1m位にはなる。しかし10cmに満たないものも普通に花が咲く。不思議。
そういえば今回の企画は「今回はヤナギランなどが・・・」なんて書いて募集してあるのだ。一体どこに?・・・大丈夫。最後の方に結構あります。
クガイソウ(ゴマノハグサ科クガイソウ属)のブラシのような独特な花が伸びてきた。葉が6〜9段に輪生するので九蓋草。
さて、ここからもう一箇所、石樋を確認しに行く。
途中、アズキナシ(バラ科ナナカマド属)の皮目が良く出ているものがあったので撮っておいた。
そして石樋。うーん、マイナスイオンを感じる。250m〜300m続く安山岩の石畳。
周辺には、クロクモソウ(ユキノシタ科ユキノシタ属)が咲いていた。まだこれからの花だ。
中・右の2種は不明。キク科コウモリソウ属のものと思われるが、私の図鑑ではもうお手上げ。どなたかご存知でしたらメールください。
kimuramichihiroスパムはやめてよ@nifty.comへ
※オクモミジハグマ(キク科モミジハグマ属)、オヤリハグマ(キク科コウヤボウキ属)が怪しい。(8/6)
ダイモンジソウ(ユキノシタ科ユキノシタ属)は8月下旬〜9月初旬までが楽しみの花。滝の周りにはずいぶんあるので、リンドウ見がてらにぜひ寄ってほしい。
滝の下の石をひっくり返すとたくさんのハコネサンショウウオ(サンショウウオ科)が出てきた。まさに清流なのだ。
そのうち家族連れがやってきて、子ども達は遊びだした。石樋ではしゃぐ子ども達・・・。撮りたかった画だ。
しかしすぐにおとなしくなってしまって、こっちに向かってきた。手に何か持っている?
げえっ。毒のあるやつだ(アズマヒキガエル)。・・・しかし頼もしい。素手で捕まえて遊ぶとは良い度胸だ。君達のようなタイプの方の人間に日本の未来が託されるよう願いたい。