冬の万座フィールド観察
今日はアルバイトの島崎君が午前休みだと言うので、一緒に森に入ってみた。
まずは雪の様子をチェック。風の強い万座では雪面が波打つスカブラという現象が起こる。風による浸食作用なので、この場合は左から右に向かって風が吹いている。
このように雪面が風にさらされるところでは、動物の足跡が雪面から浮き出ている場合もある。足跡部分は踏み固められてその周りの粉雪部分が風で飛んでしまったのだ。
目的地付近では、少し怖いくらい大きな雪屁ができたいた。
ノウサギの足跡や糞はずいぶんあった。今日はオレンジ色のオシッコとノウサギ同士が追いかけっこしたような跡がずいぶんあった。1月〜2月は繁殖期で、オレンジ色のオシッコにはフェロモンのような誘因物質が含まれるらしい。これを赤ションというそうだ。
ナナカマド(バラ科ナナカマド属)の冬芽はよく目立つ。食べてみると桜餅を苦くしたような味がある。
円錐状の花序を残しているのは現在不明。再調査必要。
特徴のある冬芽のカエデはオガラバナ(カエデ科カエデ属)だった。今までテツカエデだと思っていたのはこれだったかも知れない。
ユオウゴケ(ハナゴケ科ハナゴケ属)はイオウゴケとも言う。昔硫黄のことをユオウと読んだらしい。まあ、どっちでもいいか。本当に硫黄地帯に生える。
質問されて困ったのはこのコケ。私の図鑑では載っていない。
ホネキノリ(サルオガセ科ホネキノリ属)は、もっと別の名前にはできなかったのだろうか?そのまんまだ。今日の観察では湿気があり、しかもある程度太陽にあたる場所に発生するように見えた。
法性の滝は凍っていることを期待していた。しかし、時期が遅かったのだろうか。それとも温泉が混じり暖かい?もしくは温泉成分が含まれると凍らないのだろうか。いずれにせよ、ここまで来て滝を見ながらお弁当というコースも悪くない。
次のポイントに向かう途中、昨年の台風で倒れたダケカンバが若木のダケカンバをひん曲げているのを見た。しかしよく折れないな。こんなに柔軟な木ではないと思うが?
雪が樹木の枝をつかみ下方に引っ張る力を沈降圧と呼んでいる。写真は理解できるように撮れているだろうか。
次のポイント弁天池についた。先ほどのホネキノリはここで観察した。
今日の弁天池では、オオシラビソは観察できなかった。この辺の同属の木はみんなシラビソ(マツ科モミ属)だった。
どの木も良く見ると大体凍裂している。蛇さがり(凍裂後、木が自己修復した跡)になっていないので最近割れたのだろうか。
シラビソはまれにこのように黄色みを帯びることがある。念のため撮っておいた。