池の平を下見



午後は、来週の学生団体ガイドのために、スタッフを池の平を下見に連れてきました。湯ノ丸高峰林道が17時に閉鎖になってしまうので、湯の丸地蔵峠に車を置いてそこから湿原を一周して帰ってくる、遠回りコースになってしまいました。



    


今日はこの道を上がります。右がカラマツ植林地、左がコメツガ天然林の中を歩きます。溶岩崩壊地の岩場で植林に適さなかった場所は、戦後の拡大造林期に植林されずそのまま放置され、コメツガ天然林は残った…というのが一般説。しかし択伐はされたのでしょうか?私はされていない、と考えています。理由は伐採された切り株が見当たらないから。


択伐がされていないのに幹経がこの程度しかなのは、この場所はさらに上部にあるコメツガ巨木林よりも品栄養の場所だということが伺い知れます。そして気になるのは、「三方ヶ峰火山が30万年前に噴火活動を終えた山である説」です。30万年も経っているのに本当にこんなに土壌が薄いでしょうか?私にはそう思えません。もっと後になって流出した溶岩流のような気がします。



    


カバノアナタケ、ハナイグチ、ベニハナイグチ。でも、まだ私は当分採りません。



    


そして上部のコメツガ巨木林へ。五本幹のコメツガ、今日も悠然としていらっしゃいます。シメジの類が何者かに荒らされていました。



  


七本幹のコメツガ、何かを放っているようにも見えます。





三方ヶ峰火山に着き、まずは火口縁を歩きます。よく考えると、最初に現れる草原も、中央の火口(池の平湿原)とは隔てられていますから、ここには別の火口があった、と考えるべきでしょう。草モミジの紅葉が見ごろです。


葉に含まれているたんぱく質核酸クロロフィル葉緑素)などは、秋になり日照時間が短くなると分解されてきて、植物の命の根源である根に移動します。その最中にも光合成は行われており、葉で作られた水溶性のブドウ糖や蔗糖などの糖類やアミノ酸類は反応により新たな色素が生み出されます。それが紅葉の色素・アントシアニンです。


ところが、そのアントシアニンは抗酸化物質でもあり、また温度を上げる効果もあり、実や若芽や若枝を守るには最適でありました。一部の植物はその作用を利用して赤い色をふんだんに使っています。



  


マツムシソウが綺麗です。浅間山天明噴火でこの地が飢饉になった際、マツムシソウまで食べたという話が残っています。



  


一般的なリンドウの見分け方。

  • オヤマリンドウの花は平開せず、茎頂と上部の葉腋に1〜7個つく。
  • エゾリンドウの花は平開して茎頂と上部のかなり下の葉腋までつく。

うーん、両方の性質を持っているような気が…



  


後半は雨。ピグミーの森ではマスタケがびっしり生えている樹木がありました。池の平湿原出口の看板では「エゾリンドウ」として紹介がありました。オヤマリンドウの紹介がなかったことから、池の平にあるのはおおよそは「エゾリンドウ」なのでしょう。よーし、第一回目の下見が終わりました。残りのメンバーを、次回9月22日に連れてきます。






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