シナノキの樹皮で縄をつくる(全三回) の第二回目を実施



シナノキ樹皮から紐や縄をつくる技術の講習会、二日目の様子をレポートいたします。旧六合村根広地区、中之条町入山の中村義司・千代子さんご夫婦のお宅にうかがっております。


シナノキの樹皮で縄をつくる(2014年度 第一、二、三回 浅間・吾妻塾)
http://ecotourism.or.jp/monodukuridendoushi/shinanoki-juhi-nawa.html





昨日から丸一晩、大釜を煮続けた結果、煮詰まってしまい、お湯に浸っていない部分ができてしまいました。



    


しかし、千代子さん的にはなんてことない様子。とりあえず、お湯の中に居続けられたものを取り出し、そうでないものはとりあえず釜の中の煮汁に浸けておきます。灰汁でドロドロになったシナノキ内皮にさっと水をかけ、泥を少し取りました。



    


まずは千代子さんが実演。内皮を両手で持ち、地面に刺して固定した角材の角部分に、コルク層側を削り取らせるように手を交互に引き、何度もこすりつけます。こすりつけているうちに角にカス(コルク層)がこびり付き、内皮も柔らかくなっていきます。コルク層の皮のことを「クソッ皮」というそうです。



    


コルク層が厚く付着しているものは、コルク層と内皮を剥がします。一晩煮てあるので、割とスムーズに剥がれます。内皮だけを別けられたら、それをさらに薄く剥いでいきます。なんとこの剥げる層は、師部の年輪にあたる部分なのだそうです。



    


ある程度むけたら、束にしてとめる。この作業の繰り返しです。始まったばかりですが打ち合わせを兼ねて休憩を。この時、千代子さんから義司さんにクレームが出ました。やはり角材(針葉樹)ではやりづらいので、クリの木を四等分して地面に刺し、その角でこがせてくれとのこと。実際には義司さんは山仕事の時は山に入ったまま帰っても来なかったため、家のことはみんな千代子さんがやってきました。シナノキ材料の下処理はみんな千代子さんがやってきたのです。


身内の方がシナノキ外樹皮を持って行かれました。クラフト素材にするそうです。



    


さて、講習再開。まずは角材を昔ながらのクリ材に変えました。高橋さんもとても器用な方です。



  


やればやるほど、コツがわかり、上手になってきます。薄く剥げれるようになってきました。しかし、後で聞くと、乾いてから、縄ないをする時にも、たやすく剥げられるのだそうです。

この、節の部分の処理には参りました。とりあえず、この場所で、剥いできた一枚の内皮を手で切ろうとしましたがシナノキ繊維が頑丈で切れません。なるほど、日本の植物の中で最強の繊維といわれている理由がわかりました。



    


おお、この綺麗な皮は…山本茂先生の仕事でした。山本先生は「俺は昔の人だからね。」と仰っていました。






綺麗に剥けました。(ノ゚▽゚)ノ



いつもではありませんが、たまには、こういうのも取れます。気持ちがいいですね〜


    


次々に材料が溜まっていきます。





手押し車に乗って作業する千代子師匠。いつまで現場指導できることやら。この技術を継承できる時間は、もうあまり残っていないのです。



    


ようやく材料全てを剥ききりました。自宅の温泉のオーバーフロー湯を利用して、「クソっ皮」のヌメリや泥を洗い流します。



  



温泉には漂白作用もあるので、洗う時間は手短に、そして綺麗に、です。



    


すぐに代わって差し上げたかったのですが、この映像を残しておきたかったので、ちょっとだけ頑張ってもらいました。千代子さんの腰は、このような長年の家仕事で曲がってしまったのです。山村の母の仕事が、どれだけ大変なものだったか、考えさせられます。



  



びっしりと並んだ、シナ皮。いやー頑張りました。天気が良いので、明日には乾きそうですね。何日間乾かさないとダメ、とかではなくて、乾けばもう取り込んでいいそうです。その作業は中村さんにお願いすることにします。


次回はいよいよシナ縄ない(7月13日)です。楽しみですね!






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