ついに弁天様に・・・



今年の年末年始は藤岡市で過ごすことになるので、心残りの無いように、嬬恋村を出発する前にいざ、大笹の霊験あらたかな弁天様に会いに行くことにした。


 


大笹関所の吾妻川側に、吾妻川泉沢が合流する地点がある。この絶壁の向こう側に弁天様はいらっしゃる。しかし、どうやってこの絶壁を降りようかな?


うろうろしてみると電気柵の向こうに下に降りられそうな道を発見。ここからなら大丈夫かも。


 


吾妻川沿いに少し下ると、岩山を発見。溶岩流でできたもののように見える。

馬の背のような地形を上っていく。右側の絶壁が冒険心をくすぐる。


 


上り坂途中の岩が欠けていて、断面が見える。おや、これはスコリアだ。早川由紀夫先生の地図には追分火砕流が覆っているとある。そうか、この10m以上の絶壁は追分火砕流によるものなのか。


 


岩山の上は、広く平らな場所になっていた。探したけれども弁天様はいない。もしや、かつてここにあったということなのだろうか…と思ったその時!


 


崖の下に何かを発見。おお、あれは?

建物はキツツキの穴だらけとなってはいるが、こここそが、今や地元民もほとんど知らない、霊験あらたかな弁天様がいる社殿に違いない。



中を写すのは大変恐縮したのだが、弁天様に一応お断りしましたので…
社はかなり手の込んだものと見た。さすがは黒岩長左衛門の所有。ここには、宴ができるような建物も在ったとか無かったとか。


 


周りの石垣をアップで見てみると、やはりこれもスコリア。ここの石だ。…そうか、この河原の浅間石で隆吾さんとのプログラムを実施しようか。


 


近くに、別の小さな社があった。扉が開いてしまっている。フラッシュを焚いて写真を撮ってみると、おや、御稲荷様でいらっしゃいましたか。下にはリスの食痕が。ははーん、さては御稲荷様、リスのために扉を開けてやったのですか。御稲荷さんに護られて、リスはさぞかし居心地が良かったでしょうに。


 


社殿の裏側の針葉樹は、ヒノキかな?と思ったら、見慣れない葉裏の模様(気孔帯)だ。え!嬬恋村にヒバがあった?…驚いた。黒岩長左衛門さんが植えたんだろうか…


 


前には大きなクリの木(後日訂正・コナラ)。なかなか味のある樹形をしている。

帰るにはこの社殿の裏の絶壁を登らなくてはならないようだ。さっき降りてくる時、滑って危なかったなー。登れるかな?


 


帰りに、また吾妻川に流れ込んだ追分火砕流の絶壁が見えた。ところどころに空いた穴のような部分は、半溶結状の崖にはまり込んだ岩が落ちた跡だろうか?


 


そして、出発場所に帰ってきた。あの絶壁の向こうに弁天様がいたとは…当初、全く別の場所を見込んでいた。


最後に、カラ類の混群が私を取り囲んだ。コゲラがしきりにギーギーと鳴いていた。まるで弁天様からの『がんばれよ』ってメッセージを私に伝えに来てくれたようだった。