CONE学校支援事業全体会(研修会)



今年はCONE事務局が文部科学省から委託した小学校長期自然体験活動指導者養成研修を、うちの嬬恋村インタープリター会でも実施することになっている。CONE指導者養成団体からは全国で32団体が実施し、その全体研修会に行ってきた。

【参考】平成20年度小学校長期自然体験活動指導者養成事業とカリキュラム
http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/ikusei/taiken/08070308.htm

【基本方針2007】及び教育再生会議第2次報告における「小学校で1週間の自然体験活動」を推進するために必要な自然体験活動指導者の養成及び自然体験活動プログラム開発などの支援を国が行っているのだ。2013年から、全国の小学校5年生120万人が他地域の農山漁村に出向き1週間滞在するのだ。必要とされる指導者は10万人。しかし、それが全然育っていないのが現状。さらに学校はシラケムード。

このままだと、「小学校で1週間の自然体験活動」の話自体が消えてしまう可能性があるそうだ。なんてこったい。

今回の研修会では、メインの仕事以外のライフワークで行っている私たちと、自然体験活動で飯を食っている方々との温度差を強く感じた。

例えば、農水省の担当者は1000万円の補助金の話も出した。なんという大金。しかし私からしたら、そんなどでかい大金で私たちの地域を蹂躙はしないでほしいと思う。浅間おろしの風は昨日も今日も私たちの頬をやさしくなでるように吹いていてほしい。

ところが、30年以上自然体験活動で飯を食っている先輩が、こう言った「これまで、本当にいいスタッフが私のところで育ってくれた。どこに出しても恥ずかしくない名インタープリターだった。しかし、自然体験活動では年間200万円しか給料は払ってやれなかった。結婚と同時に、家族のためにみんな出て行ってしまった。…しかし、このプロジェクトが成功し実際に運用されれば、彼らに350万〜400万円を支払ってやれることができるんだ。それだけ払えれば、農山村なら充分に食べていけるんだ。だから、このプロジェクトは成功させなくちゃならない。このチャンスを逃してはならない」と。


しかし、そもそもはなぜ、一週間もの自然体験活動をまとめてやらなくてはならないのか。それがおかしい。毎日30分の畑の手伝いや、学校帰りに毎日30分の原っぱや森への寄り道をして育っていたら、年間の累積時間では数週間分に匹敵し、年間を通した生命のサイクルも身に浸みて体感しているはずなのである。

そして、その一週間の不釣合いな自然体験活動がないと、指導者は一般的な生活ができないならば、やはり無理して指導者などやらずに別の仕事をした方がいいという考えもある。無理して経済の循環サイクルになかったものを創出しようとするから歪んだ形になる。時間のある定年退職者で世話好きの方々や、仕事が休みの日の方が適当に自然案内をする…というようなライフスタイルは、かなり昔からあったはずだと思うし、小学校の1学年300人が一気に旅行するというような形式は、とても無かったはずだろう。しかし少人数の旅行ならば、善光寺参りや伊勢参りや湯治などで古くから当然あった。

…こう書いてしまうと、読んだ人は、私は一体どっちの見方なんだか解らなくなってしまっているだろう。私は、この小学校長期自然体験活動支援プロジェクトを応援しています。安心してください。今日はこれまで!

あ、そうそう、日本環境教育フォーラム理事の若林千賀子さんの頭の回転スピードは凄いなと感心した。人間力もある。こういう人がCONEの中枢神経にいることを知って安心した。


  




※2011年度は、エコツアーガイド養成講座のみ実施いたします。
インタープリター養成講座は実施しません)


エコツアーガイド養成講座
http://ecotourism.or.jp/guidecourse.html