グリーンセイバー・マスター


グリーンセイバー・マスター


  • 岩槻邦男(著),下園文雄(著),片山雅男(著),清水善和(著),樹木環境ネットワーク協会 (編集)
  • 価格:¥2,730(税込)
  • 出版社:研成社(2008/11)
  • 発売日:2008/11
  • 単行本:245ページ
  • 商品の寸法:25.6x19.8x1.8cm



いよいよグリーンセイバー・マスター試験が迫ってきた。今年からマスターテキストが新しくなった。試験にはテキストの新旧影響なく出題されるというので読むことはなかったのだが、どうも気になってしまい読んでしまった。ああ、その時間を古いテキストを読み直す時間に回せば、合格が近くなったかもしれないものを…



と、かなり心配しつつ読み始めたのだが、内容は旧テキストと極端に変わったりはしていなかった。だいたい差し替えられていた内容は25%位。この協会の持っている根底思想が普遍的なものであると安心することができた。



日本には「八百万の神」という言葉があり、自然界のものは全て神であった。神への畏怖と感謝の中で、自然に逆らわず身をゆだねていたはずの日本人の暮らしは、明治維新の頃から変わってきた。物質・エネルギー嗜好の社会発達の幕開けである。その背景には西欧の国々に植民地化されないためではあったが、明治後半には戦争にも耐えれるだけの、世界の大国の一つとなっていた。さらに燃料革命により里山薪炭林は荒れ始め、昭和35〜40年頃からは三種の神器(冷蔵庫・テレビ・電気洗濯機)や、農村に耕運機や田植え機、チェーンソーなどが入ってきて生活が一変した。今や江戸時代のどんなに裕福だった家柄の食卓に出ていた料理とそう違わない料理を、だいたい誰でも注文し食することができる。



日本人の暮らしは国土の自然がつくる生産物に依存したものから、海外からもたらされる石油や食料、地下資源に立脚する暮らしに変化した。そこを境に、電化製品や車などといった「もの」だけではなく、私達の「こころ」のありかたも変わってしまったのだ。



樹木・環境ネットワーク協会理事長の澁澤寿一氏は最後にこう寄せている。



「現在の私達の暮らしは決して持続可能とは言えません。石油や地下資源は有限であり、それに頼った社会も有限な社会です。グリーンセイバー・マスターを修得された皆さんは、地域の住民や行政、企業やNPOと力を合わせ、植物を中心とした自然を有効に育成、管理、保全、活用することにより持続可能な社会モデルを実現する人々です」