レオナルド・ガレンテ「長寿遺伝子」を解き明かす (NHK未来への提言)


レオナルド・ガレンテ「長寿遺伝子」を解き明かす (NHK未来への提言)


  • レオナルド・ガレンテ(著),白澤卓二(著)
  • 価格:¥998(税込)
  • 出版社:日本放送出版協会(2007/11)
  • 発売日:2007/11
  • 商品の寸法:20.6x14.8x1.2cm



8月後半に草津で、フォーラム“21世紀型湯治場−森林・温泉を活用した健康づくり”という名前のシンポジウムがあり、その際にパネラーとして登場した白澤卓二さんという方が、PPTプレゼンテーションの際に紹介していたのが本書。合間を縫って、読んで見た。



太古の昔、あらゆる生物にとって重要なことは、食料が十分にあるのか不足しているのかを見極め、食料が十分にあれば安心して生殖活動を行い、食料不足の際には生殖を行わず持ちこたえることであった。種の保存のためには、次の食料が得られる時まで生殖能力を温存できるように、若さを保つことが重要となる。この遺伝子こそが若返りの遺伝子=サーツー遺伝子。カロリー制限をすることでミトコンドリアからNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)が吐き出され、これが細胞核の中に入ってサーツー遺伝子の周りにとりつき、活性化させるのだ!



サーツー遺伝子を活性化させることができる物質を特定し薬ができれば、メタボリックシンドローム生活習慣病、その他加齢に関係するあらゆる病気の予防になる可能性があるという。その物質は、どうも玉ねぎの皮や赤ワインに含まれているようだ。



しかし、やはり生活習慣が一番の長寿の秘訣だという。究極のところは、ガレンテ教授のこの言葉に尽きる。



「サーツー遺伝子を活性化する医薬品(長寿薬)の開発は可能だが、食事の摂取カロリーを控え、定期的にエクササイズし。自らのサーツー遺伝子を活性化している人より、その長寿薬を飲んだ人の方が長生きになることはないだろう。」