ブルガリアンローズ ― 香り高きオールドローズの世界


ブルガリアンローズ―香り高きオールドローズの世界


  • 佐々木薫(著)
  • 出版社:BABジャパン出版局(2005/06)
  • 単行本:117ページ
  • 商品の寸法:25.6x18x0.8cm
  • ¥1,890(税込)



ネイチャー木村ってアロマテラピーアドバイザーなのよ?知ってた?

そんなわけで、この冬中にアロマ精油の人体への作用をもう少し掘り下げて研究し理解を深めたいと思っている。取り急ぎ、我がボスである万座ママがバラの香りを好んでいるので、ローズ精油化粧品を開発したい。取っ掛かりの一冊。



女王クレオパトラはこよなくバラを愛し、寝室に50cmもの厚さに敷きつめたという。ローマ時代・プリニウスの「博物誌」、11世紀イブン・シーナの「医学典範(カノン)」等に驚くほど多く、そして細かくローズオイルやローズウォーターの利用法や効能が記されている。…そのバラの中のバラと言われるのが、ブルガリアンローズ。オールドローズの中でも特に香り高く、気品溢れることで有名なのがダマスクローズ…と書いてある。



最後にはローズ精油、ローズウォーターを使用したレシピが記されており、とても助かる。これでとりあえずいくつか化粧品を作ってみよう。



私はブルガリアンローズの花そのものをまだ見たことが無い。しかしこの本に載っている写真が実物なら、ブルガリアンローズは人間に愛されることによって存続繁栄する道を得た種であると言える。だって本当に素晴らしい色だし、あの香りだし、人間にとっては薬効や美容効果もあるし。…しかし地球生命圏では、実際こういうことで種の取捨選択がなされてきたのではないか。なぜ、赤ちゃんがあんなに可愛いらしいのか。なぜ人間の繁栄に都合の良い、穀物という種が出現したのか。



本書はとても良い本なのだがちょっと気になるところは、バラがあたかも近年(5000年前)に出現したように書いてあるところだ。ばか言っちゃいけない。バラは被子植物の中では最も古くに出現し、哺乳類に果実を提供し共生の道を歩んだ植物グループの一つ。それって一億年よりもっと前とかいう世界だよ?チンパンジーと分かれた500万年前とは言わないが、オールドローズの出現はそれ以降、そしてメソポタミア文明発生以前だろう。著者がそこまで承知の上で、解明できている時代までを記しているのなら話は別だが。