日本アイヌ地名考


  著者:山本直文(やまもとなおよし)
  発行:中沢正(印刷者)(1965/08)
  小冊子:70ページ


この年末の大忙しの中、旧嬬恋湖を巡るロングトレイル構想をプレゼンテーションすることになってしまった。しかし美しいビジョン作り、コーディネートができずに困っている。とりわけ、そのロングトレイルに付ける良い名前は無いだろうか?先日の講座で、唐沢孝一先生より紹介があり購入しておいた嬬恋村出身のアイヌ語研究者、山本直文さんの本をめくってみた。

実はこれ、こんなに小さい本だとは思わなかった。だって古書オークションで¥15,000だよ?本がが届いた時には目の前が真っ暗になった…。

しかし、気を取り直して読んでみると、確かにいいヒントはあった。なぜ甲信地方にアイヌ系の血が多いのか。それは、群馬県前橋や藤岡などに韓族が大きな古墳群を作っていることから、当時アイヌ人は東北への退路を断たれ、その地に居座るか、尾根伝いに奥日光を経てでないとならなくなった。そんな理由があったのだ。

倭奴国アイヌの国に間違いないとし、支那大陸邪馬台国との関係、日本武尊の見解など、山本ワールドを垣間見た。

後半は35ページに渡ってアイヌ語辞典。アサマやマンザに関わるヒントが欲しかったのだが十分には得られなかった。しかし、アテロだのタシロだの、面白い情報があったのも事実。上手く使えるといいのだが…。