生命40億年はるかな旅 シリーズ (絶版)

  


【本】

花に追われた恐竜 大空への挑戦者


【DVD】

生命40億年はるかな旅(3)魚たちの上陸作戦



以前、偶然見つけたホームページに、こう書いてあった。

『このドキュメントは、1996年1月(正月)に、NHKが放映した「生命40億年遥かな旅1〜10」 の一部を、テキストに変換したものです。生命の誕生から人類の登場までの歴史が概略つかめる と思われるので、ここに掲載しました。』

http://cyber.tokaigakuen-u.ac.jp/cosmos/century/index.htm



なんと素晴らしい内容であろうか!ほしかったが、絶版でネット上でも高額になっているので諦めていた。しかし生命のたどった進化の道筋を、地球・宇宙との共生として美しく描くこの作品をどうしても諦めきれなく、まずは本を購入。するとやはり同時に動画が見たくなり、高価なDVDの購入に踏み切った。合わせて約10万円のお買い物。



本はやや専門的なので、楽しんで読み進むにはそこそこの知識が必要かも。なのでまずはDVDを先に見てから本を読むと、よりスムーズに入っていけるだろう。読み込んでいくと生命がどのようにして困難を乗り越えてきたか、過酷な環境に適応し自分のものにしてきたかが見えてくる。そこには劣勢であればあるほど、大きく進化できる可能性があるという、「負けて勝つ」の法則が見えてくる。



嫌気性細胞と好気性細胞との合体、オウムガイに支配されていた原始の海から川に逃げ込むことで背骨を獲得し海に帰っていった魚、そこに留まり果敢に地上に出て行った地上動物の祖先・イクチオステガ、植物と恐竜・昆虫・哺乳類との絶滅と共生、アフリカの森から草原に出て行った私たちの祖先・アファール猿人…。見所がありすぎてとても紹介しきれない。



やはり生命は、どんな苦境にも絶対に諦めない、どこまでも挑戦し続ける不思議な力を秘めているのだ。挑戦をやめるということは進化をやめるということ。そしてその挑戦をやめた時から、次の世代に取って代わられるのは宇宙の摂理なのだ。



勇気を持って自分以外と交流し共生を模索すること。過酷な環境に挑戦していくこと。絶対に諦めないこと。自らを形成した歴史を誇りを持って背負い、その上で対峙するニッチには、長所を十分に生かし伸ばしていくこと。このシリーズは、見るものに大きな勇気を与えるシリーズだと思う。なんで絶版にしちゃったのだろう…。うまくまとめれば学校の教材には最高の素材だと思う。こういう指導の仕方をしてくれる教師が日本にどれくらいいるのだろうか。