ことわざの生態学 ― 森・人・環境考
- 著者 只木良也
- 発行 丸善(1997/02)
- 単行本228P
- サイズ19x13cm
- ¥1,835
日頃なにげなく使っている故事ことわざのたぐいに、あるときふっと深い意味を感じることがある。それが本来意味するところとは違っていても、そのことわざがぴったりと感じられることもしばしば。
森林生態学の第一人者が、日頃見聞きしたり扱っている自然現象を、故事ことわざがうまく言い表している、あるいは連想される自然現象を基に、それらを生態学的、森林学的に解釈して綴った本。テーマは故事、ことわざ、成句、熟語などさまざまで、人文・社会学的な色づけもなされていて面白い。こじつけやギャグも笑える…のは、著者の品性の良さもあるだろうし、文中に垣間見る信用の置ける科学的数値のせいもあろう。
あとがきにはこのように書いている。
「森林をめぐるいくつかの話題を通じて、この本から、長い歴史の間に自然が巧まずして生み出してきたルールに学び、それを人間社会にも応用すること、目先の利益でなく総合的な視野で挑める態度、そんなことが必要だと少しでも感じてもらえたら、うれしく思います…」