万座きのこウォッチング

先週末の連続きのこイベントに即発されて、すっかりきのこ情熱を即発されてしまった。私も山の幸を採り食べる楽しみから森林に入り込みだした男。元々は植物よりも食料として可能性のあるきのこの方が興味があり詳しかったのだ。生態系におけるきのこの役割をある程度理解したことになったので、また少しずつ調査を始めるか。

今日は万座の森を笹藪こぎして、崩落地のコメツガ林をねらう。理論的にはマツタケだってあるはずだ。どこから入るかは書かないが、まあ、万座の笹薮に入っていくのは私くらいしかいないだろう。目的があればこんな藪こぎ10時間だって屁でもない。

30分くらい薮こぎして、今日の目的地に到着。崩落地のコメツガ林の林床は探しやすそうだ。


  


目にしたものから記載していく。この秋は山渓カラー名鑑「日本のきのこ」を頼りにしていくが、今後さらに詳しい本が必要になろう。「北陸のきのこ」というすごい本があるそうだ。¥15,000だと。どうする?

      • 以降は 山渓カラー名鑑「日本のきのこ」 より引用。食毒に関してネイチャー木村は責任を一切持ちません。---

左:ダケカンバの根元にあったのはササクレフウセンタケ(フウセンタケ科フウセンタケ属)。カバノキ類樹木の菌根菌。食用。味には癖がなく、口あたりも悪くはないらしい。多少埃臭いものがあるので、ごま油やオリーブ油で炒めたり、じっくり煮込むと良いらしい。

中:森の中で驚くほど目を引いた血赤色はチシオハツ(ベニタケ科ベニタケ属)。

右:最近名前がついたきのこ、アシボソムラサキハツ(ベニタケ科ベニタケ属)によく似ている。傘の粘液、きのこのサイズ、柄の薄い紅色で同定した。カバノキ類の樹下に発生するとあるが、カバノキ(ダケカンバ)が周囲にあるコメツガ林に発生していた。


  


左:へえ、ズキンタケ…と思って撮ったが、緑色が出ていなさ過ぎる。同定不可能。

中:ハナビラダクリキオン(アカキクラゲ科アカキクラゲ属)針葉樹枯幹上。汎世界的。

右:この前コフタバランか?とした双葉の植物の葉は、白みがかっていた。


  


左:オトメノカサ(ヌメリガサ科オトメノカサ属)は清楚できれい。傘径2-5cm。食用だが小量なのでオムレツ、スープ、和え物、酢の物にして季節感を。

中:きたきた!オオツガタケ(フウセンタケ科フウセンタケ属)。極めておいしい食用。傘にはぬめりがあり、柄は太くかたいので歯ざわり、歯切れ共に良い。まろやかな風味はどんな料理にも合うが、柄の輪切り貝柱風ソテーには、特別な味わいがある…らしい。

右:クヌギタケ(キシメジ科クヌギタケ属)だと思う。食用。全世界に分布。傘の肉は薄く柄はかたく、多少埃臭いものもあり、食用としての魅力に欠ける。ねぎやなすと一緒にごま油で炒めるとよい…らしい。


  


〜わからないもの その?〜

左:傘は2センチくらい。ベニタケ科のきのこのように見えるが同様のものが載っていず同定不可能。

中:今までヌメリササタケ(フウセンタケ科フウセンタケ属)として利用して(食べて)きたが、淡紫色の帯びが足りないことと、柄のささくれがあること、柄が粘液に包まれていないことで、別種と判断する。

左:恐らく、中のものの大きくなったものだと考える。ヌメリササタケやツバアブラシメジの類には違いないのだが…。


  


〜わからないもの その?〜

このきのこはずいぶんあった。ぬめりはなければ、前に利用したことのあるハエトリシメジ(キシメジ科キシメジ属)だとするのだが、この激しいぬめりは何だ!?コメツガ−オオシラビソ林に生えていた。結構な量だが、ハエトリシメジも悪酔い状態を引き起こすため、一人当たり1〜2本を限度にすべきとある。たくさんあってもハエトリシメジなら採っても仕方不がない。ま、今日は採るつもりないけど。