色の名前
- 監修 近江源太郎
- 構成・文 ネイチャー・プロ編集室
- 出版 角川書店(2000/04)
- 単行本215P
- ¥2,625
お勧めの一冊。自然にまつわる多彩な色の名前を、その由来となった自然風景の写真とともに紹介している。色彩図鑑。記述内容も非常に教養高い。
序章 虹の章
コラム?−光がつくる色
1.空や水や火の章
コラム?−空の色・海の色・炎の色
2.鳥や獣や虫の章
コラム?−玉虫色と濡れ色
3.花の章
コラム?−生理的仕組みがつくる六つの基本色−赤・黄・緑・青・白・黒−
4.草や木の章
コラム?−心がつくる色
5.実と実りの章
コラム?−視覚がつくる色
6.染め色の章
コラム?重色目 かさねのいろめ
7.土や石の章
コラム?色の世界と色名の世界
色彩索引(色見本)
各章に分けたカテゴリもなかなか良いし、最後の色彩索引(色見本)も良い。そして途中のコラムが面白い。
『…しかし何とか“本当の空色”を見極めようとしたアメリカの色名辞典編者は、次のような条件をつけています。−夏の晴天の10時から15時の間、水蒸気や塵の少ない状態で、ニューヨークから50マイル以内の上空を、厚紙にあけた直径1インチの穴から約30センチ離れて覗いたときの色−それをいわゆる「スカイ・ブルー」としたのです。』
最後のコラム?色の世界と色名の世界 〔色名の魅力〕より『けれども、色名の誕生には人間の文化や文明の歴史、そして生活してきた自然環境の特徴などが色濃く反映されています。そしてさらにその背景には、人間のもののみ方、感じ方や考え方が横たわっているのです。したがって、たとえそれが不十分な表現伝達手段であったとしても、色名にはやはり代えがたい魅力があります。私たちはこの本で見てきたような多彩な色名を手がかりにして、身のまわりの自然を、人類の歴史を、そして人間そのものを、楽しみながら知ることができるのです。』