宙の名前(そらのなまえ)


宙(そら)の名前

  • 写真・文 林完次
  • 発行 角川書店;新装版版(1999/12)
  • 単行本199P
  • ¥2,625


夜空は神話と伝説に満ちた煌きの地である。宵闇に包まれ、静かに星が瞬き出す日の沈んだあとに訪れる夜の星物語の世界を、250点余りの写真とともに綴っている。



あとがきには、「仕事や勉学に追われ、夜空を見上げる機会がもてないでいる皆さんへ、本のプラネタリウムになれば、ということを考慮しました。子どもの頃、田舎で見上げた降るような星空と、忘れかけている宙の言葉を思い出していただければ幸いです…」とある。



何万光年という彼方のからの光を捉え天文学に思いを馳せるのも良いが、数千年を経てもほとんど変わらない夜空の景色は、古代人同様に肉眼で観察したいと思う。古代人たちが何を思って夜空を見ていたのか。その解説を現代の星空と地上とを一緒に写し込んだ写真とともに記してある。普遍である星空と変わりゆく風景のコントラストも良い。なおのこと祖先を感じる。



人々の宇宙への思いから生まれた、さまざまな言葉・名前を知ることができる、美しいビジュアル本。日本だけでなく世界の名前が載っている。