ミツバチ学 - ニホンミツバチの研究を通し科学することの楽しさを伝える


ミツバチ学―ニホンミツバチの研究を通し科学することの楽しさを伝える

  • 著者 菅原道夫
  • 出版 東海大学出版会 (2005/12)
  • 単行本167p
  • ¥2,940


プロポリス販売開始に基づく読本第三弾。



高校教員として教育に関わってきた著者は、理科教育の実践には自然を相手に研究することが必要であると考え、常に研究の場に身をおいてきた。最後に相手にしたニホンミツバチは著者を魅了し、研究に専念するため退職を3年も早めてしまったほどである。そして、高校生が興味を持って読んでくれる本になるように努力をしたのだという。



ニホンミツバチについての本であるが、セイヨウミツバチについても対比して説明がなされており、大変にわかりやすい本になっている。



最初にミツバチの基本的な解説が載ってあり、その後、オバチとハタラキバチの産み分け方、巣の重量の季節変化からの考察、ニホンミツバチの扇風行動の向きはスズメバチに対しての進化である、秋に一斉に咲くセイタカアワダチソウは越冬に向けての蜜と花粉を大量に巣にもたらす…養蜂家が意図的に散布した可能性が!?など、読んでいてとても楽しい。



後半の特定のランに誘引される現象の研究は、香り物質の抽出が神山恵三氏のフィトンチッド測定方法ととても似ており、なるほどなと思った。また、その結果と著者の考え方も面白かった。