自然体験活動指導者手帳


自然体験活動指導者手帳


いわゆるCONE(コーン)ハンドブックである。CONEとは、自然体験活動推進協議会(Council for Outdoor & Nature Experiences)を短縮したもの。今年は指導者養成講義をいくつか持っているので、一般的な自然体験活動の理念から外れたことを言わないようにするため?に読み返しておく。



自然体験活動の分野ではたびたび、「子どもに自然体験を、子どもの居場所を、」という言葉を耳にする。しかし、私は社会を牛耳っている大人達が自然に親しんでいないことの方がよっぽど深刻だと考えている。自分(大人)たちのことをさておいて子どもに未来を託すその根底思想は何であるか?「ワシらは日本を物質的に豊かで快適にするために日本の高度成長・列島改造に忙しくて自然のことはなーんにもできんかったが、お前達は自然のことをやるんじゃよー。ワシらはもう先も短いし余生を遊んで暮らすがのう。」という寝言が聞こえてくるようだ。“託す・委ねる”ではなく、地球を継続させていく責任を押し付けていないか?



先人達が歩んだ経済大国・近代国家の道は、実は失ったものも取り返しがつかないくらいに大きい。この莫大な“負の遺産”の責務を果たしていくためには、社会的に責任ある大人が率先してやらないとどうしようもないのである。特に定年退職者がもっとそのことを自覚しなくてはいけない。そして、最大の問題はその自覚できる社会でないのが大問題なのだ。



子どもに責務を押し付けてはいけない。50年後、自分達がこの地球上からいなくなった頃に、少年期に自然体験を経験した子ども達は社会的地位が上位となり、確かに持続可能な社会を構築できるようになるだろう。そして言うだろう。「50年前までの人たちは地球になんてことをしてしまったのか。気でも違っていたに違いない。」と。



あれ?ここまでのことは書いてないな。やはり、私の思考は少し過激なようだ。