シリーズ進化学(1) マクロ進化と全生物の系統分類


マクロ進化と全生物の系統分類

  • 著者 佐藤矩行、石川統、馬渡峻輔、大野照文、川上紳一、柁原宏、長谷川政美、西田治文
  • 出版 岩波書店(2004/12)
  • 単行本222p
  • サイズ21x15cm
  • ¥3,780


ネイチャーガイド、森林インストラクター、インタープリター…野外で自然、森林生態系を解説する者はそう呼ばれている。その解説内容は花や樹木、野鳥、動物、昆虫など参加者が目に見えているものが中心となる。しかし、都会では見られないそれらを紹介するだけでこの地球生命と深く結びついている実感が沸くだろうか。自然体験とは非現実的な世界、ディズニーランドに遊びに行くようなバーチャルなものと混同されては困るのである。



地球の流れ…水循環、物質とエネルギーの循環、CO2等大気の循環…こういった見えないものの流れの中に身を置いていると感じることがとても必要である。そしてもう一つ、祖先を感じていたい。一つは人類の起源とその歩みだが、地球生命に起こったその進化の流れを感じていたい。それを理解するためにまず購入した一冊。



専門用語が羅列しており非常に読みにくい。私には早すぎる本だが興味的な内容に尽きる。例えばオランウータンとアフリカ類人猿との分岐が1500万〜1800万年前、ゴリラやチンパンジーとの分岐が500万〜700万年前でゴリラの方が少し早く分岐した…とか、シダ植物、裸子植物被子植物の出現時期や大量絶滅の要因…



P198. …昆虫類は、気門から取り込んだ酸素を毛細血管を通じて各組織まで拡散させている。このような酸素運搬方法は、植物が気孔から取り入れた酸素を細胞間隙を通じて拡散させるのとよく似ている。問題は拡散という運搬方法では遠くまで効率よく酸素を運べないことである。そのために、植物はどんな大木であっても葉は薄くならなければならないし、昆虫の体はいくら複雑であっても小さくならなければならない。昆虫の大きさは胴の太さでいえば、恐らくカブトムシが限界だろう…



P193.(白亜紀末から第三期への生物大量絶滅に関して) …○○○属が生息する地理的空間は広く、さまざまな環境に適応していることから、こうした生物種がサバイバル期に生き残りやすいことを示唆しており…(人間は脳を使いどんな環境にも適応した。)