「森の仲間」&嬬恋村インタープリター会合同研修会



私にとってはこの冬最も大きなイベントであった「森の仲間」&嬬恋村インタープリター会合同研修会。初日は22名のパーティーとなり万全の準備で森に入る。

ダケカンバの幹にサルオガセを発見。同科のホネキノリなら万座に山ほどあるのだが、サルオガセは万座はあろか嬬恋でも見たことがない。白馬でも見た覚えがない。故郷の北海道で見た記憶がある…とすると20数年ぶりの再会である。

先に進むとサルの群れの足跡が出てきた。嫌だなあ。サルは嫌いなんだよ。


  


湖沼群に到着。ここから見せたかったもののオンパレードなのだ。

まずは村一番のハリギリ。幹周400cmオーバー。

次に村一番のダケカンバ。立体構造激しく場所によっては420cmオーバー。ここで記念撮影をする。

そして三股のミズナラ。写真では二股に見えるが実際には三股である。どうしてこんな樹形になったのだろう。樹が大きく傾いていることから、やはり地滑り等の理由で地面に大きな力がかかり、根元からスパッと割れたのだろう。驚きの樹だ。

上部が三股の樹には神様が降りてくると言う。そしてそこでお休みになられる。とすると下部が三股になる樹は悪魔が活動しているのか!?いやいや、それはこんな神秘的な体験をさせてくれたこの樹に失礼だ。


  


今日のコース中には、サルの足跡が凄かった。一体何匹くらいの群れなんだろう。小猿の足跡も多かったので20頭以上の安定した群れではなかろうか。居つかれたら困るなあ。

今日のサルのウンチは丸くてコロコロしていた。それもそのはず、この森で食べていたのは専らコシアブラの樹皮だったようだ。甘皮を舐めてみたがなかなか甘香ばしくっていける。こりゃあ、サルが見逃すわけがない。


  


最後の登り、旧ゲレンデ斜面ではネズミ?の惨殺死体が!ぐわーえげつないな。昨日は大雪だったのでこれは今日の食事跡だろう。別の場所で見たものも尻尾が残されていた。尻尾はまずいという事が解った。

ネイチャークラフトの達人・吉田さんは熱心に研究していた。大類さんが「それだけはネイチャークラフトには使わないでね」と言ったのには爆笑した。

食事の主の足跡が残る。この付近の上空にいつも舞っているノスリの仕業か、それともトラフズクか…カラスだったら嫌だなあ。


  


研修会2日目。白根山地蔵峠の予定だったが天候が優れないので白根沢にお連れすることにした。今日の重い雪ではその方が良い。

森に入ってすぐに、立体構造溢れるカラマツが出てきた。この付近ではこのような複雑な形をしたカラマツの割合が多い。それは草薙カラマツと同じ遺伝子がこの付近に存在しているからだと思う。

草薙カラマツの前では、大島さん、土屋さん、下谷さんがカラマツの話をいろいろと聞かせてくれた。やはり嬬恋のメインの樹種であり生産材であるカラマツに対しては、地元民には熱い思いがあるのだ。


  


そして「悟りの場」にお連れすると、みんなこの場所の持つ力に感動してくれた。

場所については名前がついているのだが、この樹にも名前をつけたい。浜さんが「しなやかさを表せる言葉がいいわね」と仰ったので、ひとまず「しなや樹(ぎ)」と命名する。

白根沢上部では、ナナカマドをツキノワグマが折りまくった跡があった。帰ってからもいろいろと考えてしまったが、やはり食事の跡だろうと考える。万座ハイウェー道路を隔てて上部に縄張りを持つツキノワグマが居るとしたら、下部(熊池湖沼群周辺)に比べてミズナラやブナ等の秋の実が少なく、なんと餌に乏しい縄張りであろうか。チシマザサのタケノコには困らないが…。そういう個体が居るとするのなら、ナナカマドでも食わないととてもやっていけない。また、この辺まで散歩に来たツキノワグマが、腹が減ったが他に食うものがなかったのでナナカマドを食べた…とも考えられるだろう。